中国語のピンインと声調について詳しく解説!
さて、今回は発音と声調について解説していきます。日本語は母音が少なく、外国語の発音を難しく感じる人も多いかと思います。中国語の発音をより丁寧に理解することで、できるだけネイティブに近い発音を目指していきましょう!ただし、あまりにもピンインや声調にこだわりすぎて中国語の学習が嫌になってしまわないように、知っておく程度の知識もありますので、ピンインと声調の基礎を身に付けたあとは、語彙力を増やすながら、または試験の勉強をしながら、よりネイティブの発音に近づける練習をしていくのもよいでしょう。
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もくじ
1、中国語のピンインとは?
2、中国語の声調とは?
3、中国語の声調が特殊な変化をする場合
4、ピンインの母音と子音の組み合わせ
5、ピンインの母音の紹介
6、ピンインの子音の紹介
7、日本人の苦手な発音
8、発音の勉強法
1、中国語のピンインとは?
ピンインとは、日本語でいうふりがなのようなものです。中国語の発音の読み方を示すローマ字表記を、拼音(pinyin)「ピンイン」といいます。中国語をはじめて勉強するときには、日本語が母語の人はその意味は分かったとしても、読み方は分からないですよね。中国語学習者にとって、ピンインを読めること、覚えることは、中国語を話す上で必要不可欠です。実は、中国の小学生の国語の教科書などにもピンインが付いています。中国の子どもたちは、覚える漢字もたくさん!ですので、漢字の上にピンインを付けて発音の練習や声調の練習をしているのですね。
2、中国語の声調とは?
中国語の声調とは、一つ一つの音節の発音の上下の調子のことをいいます。中国語には4種類の声調があります。これを「四声」といいます。声調は声調符号で表し、ピンインの上に付けます。中国語の声調は、発音をする上でとっても重要ですので、しっかりと聞き取れる、または発音できるよう頑張って練習しましょう。
nǐ hǎo | ←声調符号(四声の表記) ←ピンイン(ローマ字) |
你好 | ←漢字 |
四声は、音の高さによって変わります。第一声、第二声、第三声、第四声とあります。同じピンインでも、違う声調のことがよくありますので、やはり声調は大切な中国語の一部といえます。例えば、同じ「ma」でも、四声で意味が違ってきます。「mā(妈)」「má(麻)」「mǎ(马)」「mà(骂)」と、この4つの漢字はそれぞれ声調が異なります。
↓「mā(妈)」「má(麻)」「mǎ(马)」「mà(骂)」を音で確認!
第一声は、高めの音をまっすぐと伸ばします。第二声は、高めの音へ一気に上げます。第三声は、低めの音からさらに低めの音に下げた後、ゆっくりと上げます。第四声は、高めの音から一気に低い音へ下げます。
3、中国語の声調が特殊な変化をする場合
中国語の発音で、さらに難しいのが「軽声」や「変調」です。四声の規則通りに読むことは基本ですが、その例外として四声が特殊な変化をする場合がありますので、ご紹介しておきます。
<軽声>
「軽声」とは、もとの声調をなくして発音することです。声調をつけずに発音するので、逆に発音しやすくなる場合もあります。
★同じ言葉が繰り返される単語
「看看」の声調は「 」ですが、同じ単語が繰り返される場合、「 kan」というように、二つ目の漢字の声調がなくなります。
★接尾詞や助詞
「桌子」の声調は「 」ですが、「zi」は声調がなくなります。同じように、「吃了」の「了」も声調がありません。その他、「他的」の「的de」や「好吗」の「吗ma」も同様です。
<変調>
四声の組み合わせによって、声調が変化することを変調といいます。声調の表記はそのままですが、実際に発音するときには発音が変化します。「半三声」とは低めの音からゆっくりと上げていく第三声の半分の発音をいいます。やや低めからさらに低い音に下がっていくところまでを「半三声」といいます。
★第三声+第三声⇒「第二声」+「第三声」
你好 语法
★第三声+第一声、第二声、第四声、軽声⇒「第三声」は「半三声」となる
老师 美国 好看
★「一」yīの変調
「一」基本は「第一声」、後ろに第一声、第二声、第三声がくるときは「第四声」に変化※一边、一条、一本など
「一」基本は「第一声」、後ろに第四声がくるときは「第二声」に変化※一万、一半など
★「不」の変調
「不」基本は「第四声」、後ろに第四声がくるときは「第二声」に変化※不要、不去など
4、ピンインの母音と子音の組み合わせ
漢字一つのピンインは、母音と子音から成り立っています。例えば、「你好」の「你」は「ni」というピンインですが、「n」は子音、「i」は母音です。このように、中国語のピンインは、母音と子音の組み合わせでできています。日本語も似たような発音ですよね、「こんにちは」の「こ」は、「ko」と表し、「k」という子音と「o」という母音の組み合わせでできています。
母音と子音の組み合わせたものを一目でわかるようになっているのが、ピンイン表(音節表)です。中国語は、このような組み合わせの発音があります。漢字は無限にあるのではと思うこともありますが、音節表をみると、発音は有限なのだなと少し安心します。つまり、違う漢字でも同じピンインのものがいくつも存在するということです。
你 ni | 「n」という舌尖音の子音+「i」という単母音 |
好 hao | 「h」という舌根音+「ao」という二重母音 |
5、ピンインの母音の紹介
日本語の母音は、「a」「i」「u」「e」「o」の5種類しかありませんが、中国語には母音はたくさんあります。ちなみに、英語の母音も「ア」の発音だけで5種類ありますし、日本人が発音が苦手な理由がわかりますよね。もともと話す日本語の母音が少ないのです。ですので、中国語にも日本人に難しい発音がたくさん出てくるわけです。
中国語の基本的な母音は、「a」「o」「e」「i」「u」「ü」です。これらを単母音といいます。それ以外にも、二重母音や三重母音、「n」や「ng」を伴う鼻母音などがあります。
「a」 | 日本語の「ア」よりも口を大きく開けて発音する |
「o」 | 日本語の「オ」より唇をまるめて発音する |
「e」 | 日本語の「エ」の口の形で「オ」と発音する |
「i」 | 日本語の「イ」よりも口を左右に引いて発音する |
「u」 | 日本語の「ウ」よりも唇を小さくすぼめて発音する |
「ü」 | 日本語の「ウ」の口の形で「ユ」と発音する |
↓単母音を音で確認!
単母音だけでも、一つ一つ発音をチェックすると難しいですよね。でも、基本中の基本ですので、頑張って何度も練習して覚えるようにしましょう。また、中国語の母音は、他にもたくさんあります。すべて合わせると36個の母音があります。二重母音は、例えば「 」の「化huà」のような単語です、三重母音は「 」の「消xiāo」のような単語があります。鼻母音の場合は「 」の「天tiān」のような単語のことをいいます。「er」の母音には、「 」の「儿ér」があります。
二重母音、三重母音 | ai、ao、ou、ei、ia、 ie、iao、iou、ua、uo、uai、uei、üe |
「n」をともなう鼻母音 | an、en、ian、 in、uan、uen、üan、ün |
「ng」をともなう鼻母音 | ang、ong、 eng、iang、ing、iong、uang、ueng |
「er」の母音 | er ※「e」の発音をしながら舌をそり上げる |
6、ピンインの子音の紹介
中国語の子音は21個あります。唇や舌の使い方で種類を分けることができます。母音と組み合わせて、中国語独特の発音が作られます。唇音では、「爸爸baba」「饭fan」のような単語、舌尖音では「汤tang」「冷leng」のような単語、舌根音では「课ke」「他ta」のような単語、舌面音では「去qu」「新xin」のような単語、舌歯音では「此ci」「思si」のような単語、そり舌音では「山shan」「城cheng」のような単語、をイメージするとわかりやすいですね。
唇音 | b、p、m、f |
舌尖音 | d、t、n、l |
舌根音 | g、k、t |
舌面音 | j、q、x |
舌歯音 | z、c、s |
そり舌音 | zh、ch、sh、r |
↓単母音~舌歯音まですべての母音と子音を音で確認!
7、日本人の苦手な発音
エピソード1 出租车(chū zū chē)の 発音ができない!
以前中国にいたころ、タクシーという単語がなかなか上手に発音することができませんでした。タクシーは中国語で「出租车」ピンインでは「
エピソード2 日本人なのに「日本 rì běn 」の言い方が下手!
エピソード3 はじめまして「 初次见面 」の挨拶でうまく言いたい!
さらに、もう一つ。これも、よく中国語を学習したてのころに習う表現ですが、「初次见面」ピンイン表記は「
」ですが、私が中国に行く前にどこかで使うだろうかと思い、一生懸命練習した言葉です。ですが、なかなかうまく発音できずに、何度もCDを聞いてマスターしました。この「初次 」が難しかったのですね。「u」や「ci」も日本人にとっては難しい発音の一つです。エピソード4 「4 sì 」個頼んだのに「10 shí 」個来た!
これは、絶対に間違えることができない単語ですが、「4」と「10」もはじめはどっちがどっちなのか分からず、市場に行ったときには、「何個?(ほしいの)」と聞かれて、「4こ」と言ったつもりが10こもらったことがあります。「4」は「
」、「10」は「shí」ですが、この「 」と「shí」の違い、そしてそれぞれの発音を上手にできずにいました。とくに「10shí」はなかなか通じず、いつも手のジェスチャーを加えて買い物をしていたのを覚えています。この「si」「shi」も難しいですね。8、発音の勉強法
日本人には、「e」、「u」、「ü」、「r」、「si」や「ci」、「sh」や「zh」が難しい発音であると言われています。「si」は日本語の「シ」より「ス」に近い発音ですし、「zhe」は「ズ」や「ゼ」ではなく「ズェ」のような発音をします。カタカナではどうしても表しにくい発音ばかりです。
勉強法① 耳で覚える
あかちゃんの言語習得には、まずは耳から音を入れること大切で、母親はあかちゃんが話せない年齢でも「こんにちは」「元気かな」など、たくさん話しかけた方がよいという話を聞いたことがあります。確かに、中国に渡って2年くらいしたころでしょうか、それまで頑張って頭で考えて中国語をアウトプットしていた自分が、何も考えなくても口から中国語が出てくるようになったなと気づいたころがありました。耳から中国語の発音を入れることは、まず言語習得の基本といえると思います。歌、テレビ、ニュース、発音練習のCDなどをたくさん聞いて、中国語独特の発音や声調に耳を慣らすのがよいでしょう。
勉強法② 口の動きを真似する
中国語で大切なのは、唇の動き、そして舌の動きです。ですので、中国人の発音をよく見て、唇の動きを真似してみるのもよいでしょう。日本人よりも口がたくさん動いているのが分かります。ユーチューブでも、ドラマでもよいですので、口に着目して、単語の発音を聞いてみるとよい勉強になります。
勉強法③ 発音ができるまで練習する
さて、耳で聞いて、口の動きを映像で確認していると、どんどん中国語を口にしたくなります。ドラマをみていて、フレーズをそのまま真似してもよいですし、発音練習のCDをもとに、何度も単語を練習してもよいです。ただし、先述したように声調には変調や軽声がありますので、文章の中でその単語がどう聞こえるのかを聞いた方が勉強になるかもしれませんね。
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