HSKについて詳しく解説!
中国語学習者が増えるにつれて、HSK(中国語標準試験)への注目も集まっています。はじめてHSKを受験してみようと思っている人、どの級から受けていいかわからない人、先生からHSKを勧められているけどいまいち内容がわからない人、必見です!今回は、HSKについて詳しく解説していきます!
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もくじ
1、HSKって何?
2、HSKは過去に改定されてきた
3、HSKの各級レベルと難易度 レベル表 中検とのレベルの違い
4、HSKの受験の概要 会場、受験料、受験終了までの流れ
5、HSKの試験の概要と各級の内容 内容紹介、過去問紹介
6、HSK受験者の声
7、HSKの教材紹介
8、HSKの今後について
1、HSKって何?
HSKは、中国語の汉语水平考试のピンインの頭文字をとってよばれている中国語試験のことです。日本語で正式には中国語標準試験といいます。このHSKは中国政府教育部直属の機関である孔子学院総部と国家漢務が主催しており、中国政府が認定する資格となります。そのため、成績は中国国内だけでなく、日本や世界中で公的証明として活用できます。
世界各国で受験可能で、875か所以上、118か国と地域で実施されているようです。日本でもHSKを受験する人の数が増えています。2018年度は30,000人を超えています。今では、中国語検定と並びとってもメジャーな試験といえます。
中国語学習者ならば、一度は受験してもよい試験ですね。というのも、1級から6級までレベルは分かれていますが、自分が何点取れたのかがわかる試験なんです。ですので、TOEICやTOEFLのように何度か受験して自分の今の中国語力を把握するのにも役立ちます。また、入試や就職にも役立つといわれています。例えば、中国の一流大学に留学したい人は、HSK5級以上の中国語が求められたりします。中国政府公認の資格ですので、中国国内の就職にも活用できます。また、日本でもAO入試などの大学入試や、ビジネスの場でも認められる資格です。グローバル化が加速し、中国に工場や、取引先がある会社も多いのではないでしょうか。現在、幅広く活用できる資格として、認められています。
HSK公式ホームページ日本版はこちら
HSK公式ホームページ中国版はこちら※日本版とは全く違うホームページになります
2、HSKは過去に改定されてきた
HSKは1990年に中国国内ではじめて実施され、翌1991年から世界各国で実施されるようになりました。HSKは、主に中国に留学してきた外国人のために開発された試験で、難易度の高いものでした。例えば、中国に留学した外国人が入学した留学生本科で、HSK何級以上取得しないと卒業させてもらえないなど、進級条件にもなっていました。
2010年に、中国国内外の中国語学習者にとってより役立つ中国語検定試験に改善するため、国際的なコミュニケーション言語テストが研究開発され、当時は「新HSK」とよばれていました。難易度を絞っていくのではなく、その幅を広げ、各段階での学習者のニーズを満たすことを目的として作られ、実際のコミュニケーションで使用する会話形式や問題、リスニング、スピーキング能力、読解能力などに測定の重点をおいた実用的な試験となっています。
3、HSKの各級レベルと難易度
現在のHSKは一番低いレベルが1級、高いレベルが6級となっています。それぞれに求められる中国語能力が定められ、上級の6級受験レベルでは5000語以上の語彙が必要です。1級では、週に数時間半年くらい勉強した人が受験する程度のレベルです。2級では、週に数時間1年くらい勉強した人が受験するレベルです。3級は基本的なコミュニケーションをとることのできるレベル、4級は日常会話ができる程度、このあたりまでが初級から中級です。5級は新聞、雑誌、テレビのニュースを鑑賞することができる程度、6級は中国語をスムーズに聞き、自分の意見を流暢に表現できるレベルです。このあたりは、中級から上級です。
ただし、HSK5級と6級では大きく差があり、6級を合格する壁が高いという人もいます。5級の語彙は2500程度、6級は一気に倍になり5000語程度ですので、文法や単語の選択問題なども急にハイレベルになります。例えば中国語を大学で第一言語として選択して、2年以上勉強している人は、1級から受験しなくても、4級や5級にチャレンジしてもよいと思います。また、すでに中国に留学経験があったり、駐在経験があったり、中国語に慣れ親しんでいる人は、6級から受験してもよいですね。ちなみに、自分の今の中国語がどのレベルかわかないという人は、HSKのホームページに無料の「レベルチェック」テストがありますので、そちらを活用してみてください。参考までに日本で行われている中国語検定試験とのレベル比較も掲載しておきます。 レベルチェックテストはこちら
4、HSKの受験の概要
◇会場
HSKは、毎月全国のどこかしらの会場で試験を実施しています。
※2021年9月は、全国主要16都市北海道、宮城、埼玉、千葉、東京、神奈川、静岡、愛知、京都、奈良、大阪、兵庫、岡山、福岡、沖縄、2~5級のみ岩手
※10月は愛知、大阪、東京、11月は東京圏、新潟、2~5級のみ三重
※12月は宮城、栃木、埼玉、千葉、神奈川、石川、奈良、兵庫、岡山、広島、北海道、東京、愛知、京都、大阪、福岡、沖縄、2~5級のみ秋田、茨城、熊本
自分の地域に近い場所で試験が実施されるかどうか、すでに年間スケジュールが発表されていますので、そちらを必ず確認してください。
◇受験料(税込み)
1級3,740円
2級4,950円
3級6,160円
4級7,370円
5級8,580円
6級9,790円
◇受験終了までの流れ
①申し込み:登録が必要です。受験の2か月前から1か月前に申し込みをする必要があります。オンラインが主ですが、郵送も可能です。
※受験地の選択もできます、クレジット払いかコンビニ払いが主
※1、3、5級は13;30開始、2、4、6級は9:30開始のため、5級と6級のダブル受験は可能
↓
②受験日の10日~1週間前までに受験票が届く
↓
③会場にて 20分前に受付開始 遅刻は試験破棄とされる
↓
④試験実施
・注意事項の説明
・必要事項の記入
・問題用紙配布
・リスニング
・読解
・作文
・試験終了
↓
⑤合格通知
試験日の1か月後からインターネットで見ることができます。また2か月後に自宅に成績証が届きます。合否だけでなく点数も知ることができて、自分の実力を毎回チェックできます。
5、HSKの試験の概要と各級の内容
HSKは中国の試験ですので、試験の説明や設問はすべて中国語です。ですので、過去問をしっかりとみて、当日慌てないようにしましょう。
級 | 配点、スコア | 合格基準 |
1級 | 聞き取り15分(100点)、読解17分(100点) | 120点/200点 |
2級 | 聞き取り25分(100点)、読解22分(100点) | 120点/200点 |
3級 | 聞き取り35分(100点)、読解30分(100点)、作文15分(100点) | 180点/300点 |
4級 | 聞き取り30分(100点)、読解40分(100点)、作文25分(100点) | 180点/300点 |
5級 | 聞き取り30分(100点)、読解45分(100点)、作文40分(100点) | 180点/300点 |
6級 | 聞き取り35分(100点)、読解50分(100点)、作文45分(100点)※作文は10分は問題黙読、35分は要約 | 180点/300点 |
HSK1級
HSK1級は、人の呼び名、自己紹介、時間や曜日、天気、交通網など、日常生活で使う基本的な中国語が出てきます。問題数もかなり少ないですので、落ち着いて問題と向き合えば大丈夫です!(各形式表はHSKホームページより抜粋)
HSK2級
HSK2級では、呼び名、感謝の表し方、量詞、日時の表し方、距離の表し方、買い物、運動など日常的な表現として使う単語と、意見、比較、原因となる解釈などが主に出題されます。また、簡単な語順を問う問題もあります。1級よりも出題文が少し長くなります。
HSK3級
HSK3級は、1級と2級の内容に加え、要求に対する返答、比較、選択、感情表現、程度の表現などが入ってきます。また、単語を並びかえる作文も入ってきます。リスニングも会話形式となり、1級と2級に比べると少しレベルアップしたものとなっています。
HSK3級の例題
HSK4級
HSK4級は、リスニングの放送回数が1回になるほか、簡単な文章読解問題も入ってきます。作文もあります。読解の時間も長くなっているので、じっくり考えていると時間が足りなくなるかもしれません。
HSK5級
HSK5級は、これまでとは問題形式も違ってきます。明らかに、出題される文の中国語の量が多くなりますし、読解もたくさん出てきます。基礎がしっかりしていないといけませんね。構文なども覚えておく必要があります。また、作文は自由作文が入ってきます。ただし、単語数は2500ですので、6級を目指している人にとっては出てくる中国語の語彙はそれほど難しくないとかもしれません。
HSK5級の問題例
HSK6級
HSK6級は、語彙も、文法も、単語も、作文も、問われる内容も複雑化し、さらにレベルアップします。5級を合格したからすぐに6級に合格するというわけにはいきません。HSKでは一番レベルの高い試験となりますので、レベルは幅広いですが、難しい問題もたくさんあります。文法や単語の穴埋め問題も類語が出題されますし、作文もこれまでと全く違い、10分間の黙読後に、自分で文章を要約しなければなりません。基礎+例外などの応用も知っていないと解けないですね。時間も長くなりますし、問題数も多いですので、時間との闘いもあります。
6、HSK受験者の声
はじめは趣味で中国語を勉強していました。HSK6級を取得したくて、本格的に勉強しはじめました。今の仕事ではあまり使いませんが、ときどきある中国の取引先との打ち合わせなどで役に立てればと思います。はじめはHSK5級を受験し合格しましたが、リスニングに苦手意識があり、5級から6級の壁を越えるのに苦労しました。しかし、過去問などしっかりと対策をしていれば、最高級の6級も合格できます!試験問題も多いので、問題慣れはしておいた方がよいです。時間との闘いということもあります。
中国に駐在しており、そのときに中国で受験しました。日本に帰国するまでにHSK6級を取得したかったので、短期間での中国語力アップが必要だと思い、中国人の先生に家庭教師をしてもらいました。HSK6級はレベルも高いですし、どうにか300点中180点に届くようにと毎日何時間も勉強しました。しかし、受験してみて、結局大切なのは基礎だということがわかりました。文法や、単語力もそうですし、試験のテクニックや傾向は過去問を解けばわかりますが、基本的な文法や助詞、接続詞などの構文をしっかりおさえておけば、作文などにも役立ちました。
7、HSKの教材紹介
HSKには、様々な教材があります。ただし、日本で受験するのと、中国で受験するのでは、手に入る教材も違ってきます。実は、とってもおすすめな教材が中国からの輸入しなければいけない場合もあります。今回は、日本で手に入る教材を紹介します。日本でも、最近はHSKがメジャーな試験となってきたため、比較的良い教材が多数出版されています。
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例えば、こちらの教材です。1級から4級に出題されるであろう基本単語が掲載されています。3級だけを受験したい人でも、基礎を振り返ることができますし、4級のための勉強もできます。語彙力はもちろんあった方がよいので、1級を受験する人にもおすすめですよ!
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こちらの教材は、HSK公式の過去問題集です。日本で詳しく解説もついていたり、試験の当日の流れについても掲載されており、1冊あると安心できます。シリーズですので、他の級の問題集もあります。
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こちらの教材もシリーズです。発音、会話、文法の基礎がたっぷりと解説され、参考書になります。こちらは、中級、上級、超上級もありますので、自分のレベルによって練習をしたり、分からないところはこの本をみて振り返ることもできます。Amazonでの購入はこちら
8、HSKの今後について
2021年3月に、中国国家教育部が「国际中文教育中文水平等级标准」を発表し、HSK改定について公表されました。大きな変更点は、これまで1級から6級だった階級を、9級までに増やすというところです。6級は300点中180点が合格ラインですが、180点の人と、290点の人とでは中国語力に差があり、その差を解消するために、今回7級から9級という階級が設けられたようです。内容も変更点があり、「聞く、読む、書く、話す」に加えて、「翻訳」という項目が追加されることです。中国語でのコミュニケーション力や実践力が問われ、これまで以上に発音や聞き取りが重視されていくのではないかと予想されています。ただし、正式な試験要項はまだ発表されていませんし、いつの試験からこの制度が導入されるのかもわかりません。ですので、今後の情報に注目して受験するようにしましょう。
参考元中国文章「国际中文教育中文水平等级标准
さて、これからHSKを受験するみなさん。まずは、HSKがどのような試験かを理解することができましたでしょうか。自分のレベルにあった級を受験するのもよいですし、高いレベルにチャレンジすることも良いでしょう。HSKの勉強法については、別の記事で掲載しておりますので、そちらをチェックしてください!
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