中国語検定1級に合格する勉強法

今回は、中国語検定1級に合格するための勉強法についてご紹介します。中国語検定1級試験のレベルは非常に高く、数ある語学試験の中でも群を抜いて難関といえます。それでも、長期スパンで合格を目指して勉強している人はいるはずです!中国語マスターになるべく、合格を目指して、勉強を頑張りましょう!

もくじ
1、中国語検定について
2、中国語検定1級のレベルについて
3、中国語検定1級の受験に関すること
4、時間や配点と合格率
5、中国語検定1級の問題形式
6、中国語検定1級の傾向と対策
(1)リスニング
(2)筆記問題
7、中国語検定1級に合格する勉強法
(1) 四字熟語、成句・慣用句を極める
(2)過去問とともに類語、語彙力を正確につける
(3)複雑で抽象的な文章の読み書き
(4)思い切って中国語漬けの日々を過ごす
(5)トレーニングブックなどに頼る
8、おすすめの教材

1、中国語検定について

中国語検定について

中国語検定(中検)とは、一般財団法人日本中国語検定協会が実施する中国語の試験のことです。一最近では、日本での通訳案内士の試験内容一部免除のために中国語を母語とする方が中国語検定1級を受験することもあるようです。また、中国語検定には、「準4級」 「4級」「3級」「2級」「準1級」「1級」の6つのレベルに分かれています。 日本で中国語を用いて仕事をしている人、高校生や大学生なども受験するようです。看護師の方で中国の方が患者さんで来たときのために、と勉強されている人もいました。

HSK(中国語標準試験)との違い

中国語の資格で中検以外によく知られているのが、HSK(中国語標準試験)という試験です。中国政府教育部直属の孔子学院総部/国家漢務が主催する中国政府が認定する試験です。ですので、試験の設問はすべて中国語です。中国の大学に留学予定のある人や、中国企業に就職したい人、駐在経験のある人がよく受験するようです。ちなみに、中国語検定1級のレベルは、HSKの高級の6級以上のものです。(HSKをもっと知りたい方はこちら)

中国語検定とHSKのレベルの比較(日本中国語検定協会HPより抜粋)

2、中国語検定1級のレベルについて

中国語検定1級のレベルは、非常に高いです。先述しましたが数ある語学試験の中でも難易度マックスといえるでしょう。某中国人ハーフのユーチューバーが試しに問題を解いところ、100点をとることができず、この中国語検定1級はネイティブの人でも難しいと言われています。

中国語検定1級のレベルは、

□高いレベルで中国語を駆使しうる能力の保証
□講演、会議、会談、挨拶などの高度な翻訳・通訳ができる程度
□二次試験に逐次通訳もあります

と中国語検定公式のホームページでは紹介されています。まさに、中国語の教師、中国語のプロ、中国語のありとあらゆる表現をマスターしなければ確実に合格ができる保証はありません。例えば、漢字検定1級も、日本人でもしっかり対策をして勉強しておかなければ難しいですよね。それと同じで、ネイティブの人でも問題を解くのが難しいと言われています。中には、中国語検定1級合格はどうせできないから受験しない、とあきらめている人も。しかし、中国語検定1級に合格することができれば、各段に就職の幅や仕事の幅が広がることは間違いありません。履歴書に書くことができるどころか、まわりからの目も一目置かれるでしょうし、この資格を取得すれば、国家資格の通訳案内士試験の外国語筆記試験が免除されたりもします。

3、中国語検定1級の受験に関すること

中国語検定のスケジュール自体は、3月、6月、11月の第4日曜日ですが、1級に関しては、そのうち11月の年に1回しか試験実施が設けられていません。申し込み期間は、だいたいその2か月前くらいからスタートします。

★申し込み:9月
★試験:毎年11月の年1回
★受験料:11,800円
★申し込み:インターネット、もしくは資料の郵送 申し込みについてはこちら
★試験会場:選択できます ホームページで必ずチェックしてください 
★試験時間:120分(13:30集合、15:45解散)

4、時間や配点と合格率

HSKと違い、問題数は少ないです。ですが、配点が高いです。特に、リスニングの書き取り問題、そして筆記の中国語訳と日本語訳の書き問題は、1問につき8点~10点の配点です。合格基準点がリスニングと筆記それぞれで85%(リスニング85点以上、筆記85点以上で合計170点以上)ですので、書き問題でのミスは痛手となります。

試験時間120分
問題数リスニング10問
リスニング書き取り5問
筆記28問
筆記訳5問
配点リスニング100点、筆記試験100点
合計200点
合格基準点85%(170点)
※リスニングと筆記それぞれ85%以上であること
合格率4%前後~7%前後

合格率も低く、2020年11月の試験では7.2%、2019年11月は6.6%、2018年は5.6%です。以前は2%台だった年もあるそうです。そんな合格率の低い語学試験見たことない!!と思いましたが、そもそも試験を受験する人数も他の級に比べて格段に少ないです。とはいっても、200名~300名程度の人が受験するわけですから、20人にも満たない人数しか毎年合格者がいないことになります。そして、そのほとんどがネイティブやハーフの人であるということも聞いたことがあります。日本語が母国語の日本人が合格するには、至難の業といえるでしょう。

5、中国語検定1級の問題形式

難易度の高い試験ですが、内容はシンプルです。リスニングは長文の内容理解を問う問題10問、そして指定された部分の書き取り問題5問です。筆記は、長文問題や類語の正誤問題もありますが、内容を問われるというよりはほぼ穴埋め問題のような語彙力にかかわる問題です。日本語訳と中国語訳の問題もありますが、こちらは配点が高いので、できるだけ正確に訳したいですね。※以下問題は第101回2020年11月の試験問題となります。答えを知りたい方はホームページからご確認ください。

リスニング1長文の内容に対する設問回答(10問 各5点)
リスニング2読まれる文書の中の5か所書き取り問題(5問 各10点)
筆記1長文問題(10問 各2点)
筆記2穴埋め問題(10問 各2点)
筆記3語彙の説明正誤問題(8問 各2点)
筆記4日本語訳問題(3問 各8点)
筆記5中国語訳問題(2問 各10点)

リスニング1

リスニング2

筆記1

筆記2

筆記3

筆記4

筆記5

6、中国語検定1級の傾向と対策

リスニング

現在中検1級の合格を目指して勉強している人にとっては、リスニングについては、難しいのは難しいのですが、筆記の難易度に比べると点数は取りやすいと思われます。ですので、リスニングではできるだけ満点を目指す勢いで試験にのぞみましょう。リスニングは配点も高いですし、1つでも問題をミスすると大きな痛手となります。

リスニング1では、具体的な内容に切り込んで設問されますので、読み上げられる文章の意味を正確に聞く必要があります。そして、文章全体の話の意味をくみ取り、なぜそのようなことが起こっているのか、そう言っている意味は何か、どういうことなのか、など言い換えたり、原因や理由を問われたりします。

リスニング2では、読み上げられる文の書き取り問題ですので、聞けてもその単語の漢字が書けないといけません。また、全く知らない四文字熟語などが出てくれば、もう勘で書くしかなくなってしまいますので、ここは文書の意味を考えながら出てくる単語を正確に書くことが大切です。日本でも、ああ~あの漢字なんて書くんだったかなということがよくありますよね。中国語も同じです。リスニング2で点数を取ることができるかどうかがポイントとなると思います。この部分だけを集中して事前に勉強するのものよいでしょう。

筆記問題

筆記の傾向についてですが、四字熟語、成句・慣用句がわんさか出てきます。しかも、日常ではあまり見ない語彙ばかりが並ぶので、気力との闘いでもあります。覚えている、もしくは知っている語彙を頭の隅から隅まで確認して、どうにか正確な意味を導き出してください。

筆記1の長文もほぼ穴埋め問題のようなところがありますので、語彙力が合格を左右することもあります。語彙力がなくても、なんとなく意味を推測して、、、と思っていても、その推測とは全く違う意味の熟語が出てきたりもします。先述しましたが、普段見慣れない単語がでてきますので、語彙力との勝負ということもあります。文章の内容も具体性がなく、抽象的な読みにくいものとなっています。ですので、筆記1の長文では文書すべての意味を理解するというよりも、穴埋め問題を解いていく感覚で進めていく方が効率的です。

筆記2は、中検1級の中で最も難易度が高いといっても過言ではありません。自分の出会ってきた単語が出るかどうかという運もあります。ですが、逆に単語の意味や使い方を正確に知っているものですと、ものの数秒で解くことのできる問題もあります。

日本語訳や中国語訳で日本人受験者が苦労するのが、やはり中国語訳だと思います。普段見ないようなニュースの分野(科学、経営、自然など)も翻訳する練習をしておきましょう。

7、中国語検定1級に合格する勉強法

中検1級に合格するために勉強しいてる人は、中国語に慣れておりネイティブのように感覚で解いていく人と、合格のための勉強を日々一生懸命している人がいると思います。どちらでもよいと思いますが、前者は中国にもう何年も住んでいたり、中国の人とずっと一緒に仕事をして中国語で自分も仕事をしている人、そしてハーフの人など、かなりそのレベルに至るまでは難しいと思います。日本で中国語を勉強している人にとっては、どうにか合格するための勉強をするしかありません。ですが、中国にいるような環境に自分を置くことはできます。自分の努力と、環境を整えることで、合格への道を切り開いてほしいです!

(1) 四字熟語、成句・慣用句を極める   

「生拉硬扯」という四字熟語は、「無理に引っ張る、無理にこじつける」という意味があります。これは、2020年11月の試験で出された問題です。意味の知らない言葉があると問題を解くのに苦労することが1級ではありますので、問題集などで四字熟語を徹底的にマスターするのも一つの手です。また、四字熟語、成句、慣用句の成り立ちを覚えておくとさらに覚えやすく、知らない単語でも推測しやするくなるかもしれません。例えば、四字熟語だと成り立ちには4つの構成があるといわれています。二字熟語が結びついたもの(似た意味の湯熟語)、前の熟語が後ろとかかっているもの、4つの漢字が対等に並んでいるだけのもの、故事成句や漢文などから来ている四字熟語です。四字熟語、成句、慣用句を覚えていく際には、なぜそういう意味があるのか、確認しながら進めると覚えやすいです。

勉強の仕方についてですが、参考書などにまとめられているものを暗記するのでもよいですし、歴史ドラマや小説などに出てくる成句をメモを取りながら覚えていくのでもよいです。実際に、どのような使われ方をしているか分からないとイメージが湧かないですよね。

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(2)過去問とともに類語、語彙力を正確につける

過去問を解いて、傾向をつかむことも効率的な勉強方法です。ただし、中検1級に関しては、過去問で傾向をつかめるかどうか、という問題もあります。ですので、あまりに過去問に頼りすぎると全く知らない漢字が出てきたりしますので、過去問はできるだけ解いて、過去に出てきた単語は必ず覚えておく程度にしておくのもよいかもしれません。ただし、過去問から文章の内容の傾向や、日本語訳や中国語訳の内容の傾向はつかめると思います。

過去問だけでなく、中検1級ではやはり語彙力がものをいいます。しかも、その語彙を正しく使いこなせているかが問題です。なぜなら、類語がたくさん出てくるからです。語彙の意味だけをなんとなく理解していては、類語との区別がつきません。語彙力をあげていくときに、その語彙のまわりの類語も一緒に覚えるとよいでしょう。

勉強の仕方ですが、全体的な語彙力アップが必要です。普段聞きなれない単語がたくさん出てきますので、自分の知らないまたは得意でない分野の単語もしっかりと身に付けておきましょう。そして、動詞だけでなく、名詞にも注目して覚えていくようにしましょう。名詞は無限にありますが、固有名詞も出題されますので、幅広い名詞の単語力も必要です。

アルク出版 内田慶市著

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(3)複雑で抽象的な文章の読み書き   

日本語でも難しい、抽象的な文章の読み書きを練習しましょう。哲学、名言、歴史的な表現、漢詩、思想、社会的問題の背景や人々の考え方、宗教、心理学などです。「今日、会社で同僚が仕事をミスした」というような具体的な文章ではなく、「思想とは、人間が自分自身や自分の周囲について、あるいは自分が感じ思考できるものごについて抱く、あるまとまった考えのことである」のように、普遍的で抽象的な文章が出てきます。中国語の哲学や心理学の本を読むのもよいですし、自分で自分の考え、思考傾向、人生のジレンマなど考えていることを中国語にしてみるのもよいですね。そのような文章になれていくと、他の文章も読めるようになってきます。

太宰治「人間失格」中国語版

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(4)思い切って中国語漬けの日々を過ごす

中国語漬けの日々とは、どのようなことでしょうか。語学を身に付けるときは、現地に行くことが手っ取り早い方法ですが、日本で同じような環境下で中国語を学ぶということです。社会人の人は時間のゆるす限りやってみてください。多くの中国語に慣れ親しんでいるほど、中国語の問題は解きやすくなります。例えば、テレビをインターネットを経由して中国のテレビが映るようにする、中国のドラマやユーチューブをみる、ニュースはすべて中国語で読む、日記はすべて中国語で書く、中国のSNSに積極的に中国語で参加してみる、ボランティアで中国語の翻訳や通訳をしてみる、中国語で読書をする、中国の人と話す機会を作るなど、日々の生活を中国語漬けにしてみるということです。はじめは、辛いかもしれませんが1か月するとまず耳が慣れてきます。数か月すると、頭も慣れてくるものです。留学と同じですよね。このような中国語の環境を整えることも合格への一歩だと言えます。

CCTV視聴例

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(5)トレーニングブックなどに頼る   

「おすすめの教材」でも紹介しますが、トレーニングブックや参考書を中心に勉強をするのも一つの方法です。普通の試験ならば、過去問や実践問題などのついたトレーニングブックを何度もやりこなすことが大切ですが、中検1級の場合は、多くの単語との出会いが大切ですので、1つのトレーニングブックを使いながら、参考書も1つ準備をして、その他にもリスニング用、単語ブック、四字熟語ブックなど分けて徹底的に勉強する方法もおすすめします。

8、おすすめの教材

教材の中には、後ろの方に大切な単語、四字熟語、成句、慣用句などをまとめてくれているものもありますので、それらをうまく活用しましょう。また、リスニング、単語、文法、四字熟語などそれぞれ強化したい分野ごとに勉強をするのもよいでしょう。

アスク出版  戴暁旬 著

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文音出版 程莉 著

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さて、おすすめの教材を紹介してきましたが、「中検準1級程度」という参考書も多いです。つまり、中検1級対策の教材はなかなかなく、中検はそれほど難しく、出題の幅も広すぎて、勉強が難しいことが言えます。しかし、過去問を解いているとわかるように、四字熟語や成句、慣用句、そして語彙力、そのあたりを中心に勉強し、もちろん中国語力も総合的に高めていけば、合格できないことはありません。あきらめず、合格を目指して中国語を極めていきましょう!