中国語検定について詳しく解説!

今回は、中国語検定について紹介します。中国語検定は、HSKと並び中国語の能力をアピールする手段の一つです。日本で実施している試験ですので、教材などもある程度日本で購入することができます。HSKは中国が行っている試験ですので、HSKだけでなく中国語検定も取得しておくと、就職や入試などに役立ちます。今回は、そんな中国語検定、いわゆる中検について詳しく解説していきます!

もくじ
1、中国語検定とは
2、中国語検定の概要
3、中国語検定の試験合格率
4、中国語検定の試験概要と各級のレベル
5、中国語検定の教材紹介
6、中国語検定を取得していると

1、中国語検定とは

中国語検定とは、一般財団法人日本中国語検定協会が主催する中国語の検定試験のことです。母語が日本語の人が対象ですが、特に受験資格に制限はなく、最近では通訳案内士などのほかの資格の筆記試験免除のために、中国の人が受験したりもします。日本の試験ですので、設問などは日本語で書かれています。中国語を専攻する高校生、大学生のほかに、中国語を仕事で使う社会人の人、就職活動をしている人なども受験します。中国語検定試験、いわゆる中検ですが、日本では英検同様、入試、就職、留学などで活用できます。また、中検準1級と1級はかなりの難易度ですので、職場などで大いに認められる資格です。受験者数は、準4級から3級までが多く、だいたい毎回各級1000人から2000人程度、2級以上ですと毎回200人から500人程度と少なくなります。各級のレベルについては後述してありますが、3級が高校や大学で第二言語として2年間勉強したくらい(200~300時間)のレベルですので、初級の最終段階もしくは中級の初歩段階として自分の中国語力を試すのにちょうどよいのでしょう。2級は中級程度で、実務に使うための基礎的な中国語が求められますので、もう少し難しくなります。準1級と1級は上級レベルですので、ビジネスや通訳として仕事ができるほどの中国語レベルとなります。

日本中国語検定協会のホームページはこちら

中検ホームページより抜粋

HSK(中国語検定試験)との違いですが、まず各級のレベルが違います。だいたい、HSKの最高級6級が中検の2級から準1級に相当します。ですので、中検1級取得者は数少ないですし、数ある試験の中でも「超」といってよいほど難関です。また、HSKにはない日本語訳の問題も出題されますし、問題数はHSKに比べて少ないです。特に、長文読解の問題数はHSKに比べてとても少ないです。文章を読み取るというよりも、単語力がかなり問われる問題が多いようです。しかも、受験回数は1年に3回のみですので、しっかりと対策をして各級の合格を目指しましょう。

HSKのホームページはこちら(日本版)

2、中国語検定の概要

◆試験日程:1年に3回 3、6、11月の第4日曜 ※1級は11月のみ

◆申し込み:インターネット(登録が必要、写真添付)、郵送
※申し込みは2か月前から1か月前 

◆試験地:全国(海外も含め)40か所前後の試験地があります、選択できますが、定員になり次第申し込みはできません、回により、試験が実施されない都道府県もありますので、必ず試験地を確認してください

◆級:準4級、4級、3級、2級、準1級、1級 
※もしも自分の受験するレベルがわからないという人がいれば、公式のホームページにかんたんレベルチェックのテストがありますので、そちらを活用するとよいでしょう。 かんたんレベルチェックはこちら

◆受験料:準4級 3,500円、4級 4,800円、3級 5,800円、2級 7,800円、準1級 9,800円、1級 11,800円

◆申し込みから当日の試験終了まで
申し込み

試験日の約10日前までに受験票が届く

試験実施※当日の時間については以下参照

合格通知 約1か月後に発送、ホームページで確認できます

証明書は別途発行手数料が必要

中検ホームページより抜粋
合格証明書と試験結果の例

3、中国語検定の試験合格率

中国語試験は、準4級は100点ですが、それ以外の級は200点満点です。ただし、合格基準点がそれぞれの級で違い、準4級は100点中60点、1級はリスニングと筆記それぞれで100点中85点です。合格率は一番高い級が4級や3級です。先述したように、準1級と1級は上級レベルですので、合格率もグンッと下がります。以前の試験では1級の合格率が2%前後ということもあったようです。

時間点(合格基準)合格率
準4級60分60/100点 81.3%
4級100分120/200(60%)55.8%
3級100分130/200(65%)52.8%
2級120分140/200(70%)30.2%
準1級120分150/200(75%)19.8%
1級120分170/200(85%)7.2%

※2020年11月に実施された試験の合格率です。
※また、配点は準4級以外は、リスニング100点満点、筆記100点満点で、そのうちそれぞれに合格基準のパーセンテージを得る必要があります。例えば3級では、合格基準が65%ですが、リスニングが100点中60点、筆記が100点中70点では合格にはなりません。3級の場合は、リスニングが65点以上、筆記も65点以上でないと合格にはなりませんので注意してください。

4、中国語検定の試験概要と各級のレベル

中国語検定の試験の内容は以下の通りです。準4級は問題数も少なく基本的なことのみです。4級と3級が出題形式が似ています。準1級と1級も問題形式は似ていますが、難易度が全く違います。1級は中国の人でも知らない人もいるといわれているような単語が出てきたりします。


内容
準4級リスニング15問:ピンイン、曜日や疑問詞などの基本的は語句
筆記20問:ピンイン、語順、穴埋め、中国語記述
4級リスニング20問:会話の返答、会話や文章の内容を問う問題
筆記36問:ピンイン、単語穴埋め、正誤問題、語順、読解 
作文5問:短文
3級リスニング20問:会話の返答、会話や文章の内容を問う問題
筆記36問:ピンイン、単語穴埋め、正誤問題、語順、読解
作文5問:短文
2級リスニング20問:発話の内容を問う問題、会話の続き、文書の内容を問う問題
筆記30問:読解、正誤問題、類語、穴埋め 
日本語訳問題
作文5問:ビジネスの場などで使用される口語、説明文
準1級リスニング:文書の内容を問う問題10問と聞き取り記述問題
筆記28問:長文複合問題、穴埋め、類語
日本語訳問題
作文3問:ニュースなどのような文章、説明文
1級リスニング :文書の内容を問う問題10問と聞き取り記述問題
筆記28問:長文複合問題、穴埋め、類語
日本語訳問題
作文2問:長文

それでは、各級の大まかなレベルと詳しい内容を過去問を例にみていきましょう!級が上がるにつれて、問題数が少なくなる一方で厳選された問題が出題されますので、1問の重みが変わってきます。過去問ダウンロードはこちら

目安となるレベル
準4級中国語学習の準備完了
4級中国語の基礎をマスター
3級中国語の一般的事項のマスター
2級実務能力の基礎作り完成
準1級実務に即従事しうる能力
1級高いレベルで中国語を駆使しうる能力

中検 準4級

準4級は、「中国語学習の準備完了」程度です。「今天」「朋友」「很多」「药」など、日常生活で用いる基本的な中国語が出題されます。「どこで」「何を」などの基本的な疑問詞も出題されます。レベルは、中国語学習60~120時間が目安いです。単語はだいたい500程度、日常の挨拶50~80程度だといわれています。大学などで中国語を第二言語として半年間勉強した人や、語学学校で半年以上学習した人が受験するとよいでしょう。以下、2021年6月第103回の過去問かた引用しています。

中検 4級

4級は、「中国語の基礎をマスター」したレベルです。中国語学習120時間から200時間が目安で、大学の第二言語として1年間勉強した人などが受験するとちょうどよいかもしれません。常用語500~1000語が出題されます。「银行」「冬天」、距離の表し方、量詞、「就」「已经」などの副詞、「了」「会」などのいくつかの品詞も出題されます。基礎的な中国語を聞き取ることができ、また話すことができる程度でしょう。以下、2021年6月第103回の過去問かた引用しています。

中検 3級

3級は、「一般的事項のマスタ—」レベルです。初級の最終段階もしくは中級の初歩段階くらいでしょうか。基本的な文章を読み書きすることができ、簡単な日常会話ができる程度です。中国語学習200~300時間といわれています。大学で第二言語として2年間履修した人が受験するとちょうどよいです。常用語1000~2000語が出題されます。「ネクタイを結ぶ」「歴史」など4級より少し難しい動詞や名詞、「虽然」「不管」などの文法表現、また比較や類語選択問題も出題されますので、やはり4級に比べるとレベルアップしています。3級では、構文もかなり出題されていますので、基本構文は一通り覚える必要があります。以下、2021年6月第103回の過去問かた引用しています。

中検 2級

2級は、中級に入ってきますので、また3級とはレベルが全然違います。中国語を何年か勉強してきて、ある程度できるようになってきたかなと思ったら、まず2級からトライしてみるとよいでしょう。準1級と1級はかなり上級者レベルですので。2級は、「実務能力の基礎づくり完成」といわれており、複文などを含む高度な中国語の文章を読むことができること、日常的な話題での会話が行えること、熟語・慣用句の意味を理解していること、語彙の解釈を正しく行えていることなどが必須です。ただし、慣用句や語彙はめちゃくちゃ難しくて、中国の人も知らないというレベルのものは出てきませんので、しっかりと過去問対策をして傾向をつかんでおけば大丈夫です。「実務能力」ですので、ビジネスでも使用できるくらいの中国語が求められています。中国語を勉強しているだけでなく、慣れ親しんでいる人でないと難しいです。細かい品詞の使い方、類語の使い分け、助動詞の正しい使い方も問われます。2級から日本語訳の問題も出題されますので、形式も変わります。以下、2021年6月第103回の過去問かた引用しています。

中検 準1級

準1級は、中検1級があまりにも難しくて合格者が少ないので、作られた試験だともいわれています。「実務に即従事しうる能力(全般的な事項のマスター)」レベルだといわれていますので、ビジネスの場でガンガン中国語を話してメールを書いて、交渉ができるくらいの中国語を想像した方がよいでしょう。「簡単な通訳ができる」程度だともホームページでは紹介されています。問題は、新聞、雑誌、文学作品、実用文などから出題され、熟語や慣用句も出てきます。また、日本語訳の問題も難易度がアップしていますので、本当に普段から仕事でよく使っている人でないと難しいかもしれません。以下、2021年6月第103回の過去問かた引用しています。

中検 1級

1級の合格率は、7%前後です。これでもパーセンテージは上がったほうで、以前は2%前後というときもありました。本当に難関な試験になります。もしかすると、英検1級よりも難しいのではないかと思うほどです。中国の人でもわからない問題もあるとか…。中国語の漢字は数無限にあります。成句や慣用句もたくさんあります、ですので、その中から筆記問題28問と考えただけで、もう出題される単語を知っているかどうかは勉強というよりも運ともいえるでしょう。そのくらい難しいです。ですが、何年にも渡って試験にチャレンジして合格している人もいます。通訳や翻訳の仕事をしていて、ぜひチャレンジしたいという人、ビジネスで中国語をネイティブレベルで流暢に使っている人、中国に移り住んで何年もたっている人、もしくは試験マニアな人、とりあえず、中国語に自信があるぞ!という人はぜひチャレンジしてください!ちなみに、ホームページでは、「高度な読解力、表現力を有し、複雑な中国語及び日本語の通訳・翻訳ができること」という目安が書いてあります。1級に関しては、語彙力(成句、慣用句も含めて)が本当に高くなければ解くことができません。ちなみに、中検1級を取得すると通訳案内士の筆記試験が免除となります。以下、過去問は2020年11月第101回のものです。

5、中国語検定の教材紹介

こちらは、試験を作成している日本中国語検定協会が公式に作成している過去問題集です。過去問は、ダウンロードすればよいのでは?と思っている人もいるかもしれませんが、たしかに自分で過去問をたくさん解いて傾向と対策を見つけるのも一つの方法ですが、このような過去問題集を買えば、解説やポイント、問題の解き方などが掲載されてありますので、便利です。Amazonでの購入はこちら↓

白帝社出版 日本中国語検定協会(著)

こちらの過去問題集も解説が詳しく、便利です。後ろの方に成句・慣用表現がまとめられているので、過去問を解きながら成語や単語を覚えていくこともできます。Amazonでの購入はこちら↓

光生館出版 中検研究会(編)

こちらは、有名な単語ブックですよね。キクタンは、レベルを中検に合わせてくれているので、中国語検定を受験する人は使いやすいと思います。しかも、耳からも聞いて覚えることができます。1冊あると便利ですよ!Amazonでの購入はこちら↓

アルク出版 内田慶市(著)

こちらは、シリーズになっていて、中級や超上級などもあります。自分のレベルに応じて、文法を振り返ったり、基礎を固めたりするのに役立ちます。文法の説明、たくさんの例文、中国語の仕組みを理解できるようになっています。間違いやすい表現の使い方なども学ぶことができます。また、読解、語彙、文法もトレーニングできる1冊です。Amazonでの購入はこちら↓

べレ出版  趙 玲華 (著)

6、中国語検定を取得していると

ちなみに、今回紹介した中国語検定を取得していると、入試や就職に役立つということを先述しましたが、例えば、某関西の外国語大学では自己推薦の入試の出願資格の項目について、ボランティア、部活動とならび、中国語検定も入っています。また、某関東の外国語大学でも、学校推薦の入試の受験資格として、外国語の成績がよいことや、外国語の学習に意欲的であることをあげており、中国語検定試験はアピールの材料となります。昔に比べて、高校で中国語を勉強できる学校が増えたように思います。もちろん、英語は大切な科目の一つですが、高校生のときに中国語も頑張って勉強して中検を取得していると、中国への留学の道が開けたり、大学への入試のアピールになったりします。しかし、大学入試を中国語で受験したいというのは、また話が違うことです。これは、帰国子女や中国語が母国語レベルの人が受験しますので、日本国籍でも受験できますし、英語よりも中国語の方が得意ということでしたら大丈夫ですが、中国語での大学入試は検討が必要です。

また、就職についても、例えば某有名な製薬会社の求人に、中国語ビジネスレベル、とあったり、某化学工業株式会社の窓口対応の求人では「優遇される経験」のところに「中国語検定準1級以上」など記載があったりもします。大学生は就職すれば新卒社会人となりますが、他の同僚と差をつけるチャンスでもあります。また、第二新卒や中途採用の人でも、中国語検定の資格は優遇条件に入ってくることがあります。(たいてい、HSKとの併記ですが。)ですので、ただ中国語を勉強しているという趣味の人でも、中国語検定を受けてみることで、将来何か役に立つことがあるかもしれませんね!

さて、今回は中国語検定について詳しく解説してきました。HSKとならび、中国語を学習している人にはぜひチャレンジしてもらいたい試験の一つです。英検などと同様に日本でのアピールにはとってもよい資格でもあります。受験するときには、ぜひ過去問の対策に加えて、「合格する」という強い意志をもって勉強に励んでくださいね!