HSK5級に合格する勉強法
HSKとは、中国公認の中国語の試験です。正式には中国語標準試験(汉语水平考试)といいます。そのうち、HSK5級は中国語学習者ならば、中国語を勉強してきて、ある程度身についたかな、そろそろ就職や入試、もしくは留学のために試験を受けてみよう、というときにまずは自分の実力を試す良いレベルの階級です。中国の一流大学留学や中国の各大学の中で中国人と一緒に勉強する本科生としての留学にはHSK5級が最低ラインです。日本で中国語を使って何か仕事をしたいというときには、HSK5級以上という条件をよく目にします。今回は、中国語で将来取得しておくべきHSK5級の合格方法について紹介していきます!
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HSK5級に合格したいあなたへ
もくじ
1、HSKとは
2、HSK5級のレベルについて
3、HSK5級の受験に関すること
日程と時間
配点と合格基準
4、HSK5級の問題形式
5、HSK5級の傾向と対策
5-(1)リスニング
5-(2)読解
5-(3)作文
6、HSK5級に合格する勉強法
6-(1)過去問を徹底的に解く
6-(2)単語力と総合力
6-(3)基礎文法と構文はマスターしておく
7、HSK5級合格のためのおすすめ教材
1、HSKとは
HSKとは、汉语水平考试(中国語標準試験)のことです。中国政府教育部直属の孔子学院総部/国家漢務が主催する中国政府が認定する試験です。試験の設問はすべて中国語です。中国語検定とは違い、世界各国で行われている試験です。先述したように、中国の一流大学に留学予定のある人や、中国企業に就職したい人、駐在経験のある人がよく受験するようです。6級(一番高いレベル)を合格しないと留学生本科を卒業できないという中国の大学もあります。検定試験が卒業資格になっているなんて、日本ではあまり聞かないですよね。それほど、このHSKは政府が認定する信頼されている試験でもあります。もちろん、ビジネスの場で活用したい人にもおすすです。
HSKの試験は級が一番低いレベルで、2級、3級、4級、5級、と6級まであります。級が一番低いレベルで、2級、3級、4級、5級、と6級まであります。HSK1級は初級、4級~5級で中級、6級が中級の上級から上級程度です。今回は、この中でも5級を紹介しまs。(もっと詳しくHSKを知りたい人はこちら)
ちなみに、中国語検定(中検)とは、一般財団法人日本中国語検定協会が実施する中国語の試験のことです。「準4級」「4級」「3級」「2級」「準1級」「1級」の6つのレベルに分かれています。 設問や説明などはすべて日本語です。日本で中国語を用いて仕事をしている人、高校生や大学生なども受験するようです。HSKとのレベルの対応については、だいたい中国語検定2級~準1級がHSK6級相当です。
(中国語検定をもっと知りたい方はこちら)
2、HSK5級のレベルについて
HSK5級の試験は、中国語レベル中級程度の人が受ける試験です。中国語検定試験の3級~2級に該当します。HSKのホームページには、「中国語の雑誌や新聞が読める、中国語の映画やテレビを鑑賞できる、中国語でスピーチができる」ことが求められています。中国語を2年間くらい勉強して、2500字の常用単語を身につけている必要があります。中国語を使って、何か将来を考えている人の足かけに必要なレベルの中国語階級です。例えば、留学、入試、講座やセミナーの受験資格などです。もちろん、HSK5級があればビジネスの場でも活用できますが、
HSK5級ですとビジネスでは基本的なことができる程度だとみなされるでしょう。メールの処理、電話対応など。通訳やビジネスの商談などは、やはりもう一つレベルアップしたHSK6級や中国語検定準1級や1級の中国語上級者ができることのように思います。ただ、HSK5級のレベルは、日常会話ができるようになっている人ですので、例えば中国を問題なく一人で旅行ができるなど、中国語を使った生活レベルでの仕事の幅はかなり広がるといえます。
3、HSK5級の受験に関すること
HSKの試験は、毎月全国のどこかしらで試験が行われていますので、事前にホームページで確認するようにしましょう。受験地や日程を確認してから、申し込みましょう。HSKホームページはこちら
リスニング100点(30分)、読解100点(45分)、作文100点(40分)の300点満点です。合格基準点はその6割の180点です。合否判定の表記はなく、スコアのみ表記されます。読解は45分ですが、時間制限も45分です。ですので、1問1分で解いていかないと時間がなくなります。4級に比べて試験の問題数も増えていますし、長文読解問題も出題されるようになります。基礎を忘れずに、リスニング、読解、作文それぞれをスムーズに問題なく解いていくことのできる能力が問われます。
4、HSK5級の問題形式
HSK5級は、マークシート形式と作文は記述式です。リスニングは放送回数が1回となります(HSK4級からは放送回数が1回となっています)。リスニングでは、会話文を聞き、その内容に対する問いに答える問題です。読解では、単語選択の穴埋め問題、短文の内容正誤選択問題、長文読解問題、作文は並べ替えと、与えらた単語や画像の説明問題となります。HSK5級では、長文読解問題が大問5問(45問中20問)となります。
HSK5級の問題例
ちなみに、こちらの問題の答えは、78A、79D、80A、81C、82Cです。
5、HSK5級の傾向と対策
必要語彙数は、常用2500字ですので、HSK6級を目指している人にとっては、出題される文章やリスニングの会話はそれほど難しくないかもしれません。ただし、「あれ、この熟語みたことなるな」「この長文結構スラスラ読めるな」と思っても、選択肢で落とし穴がありますので、十分に注意が必要です。
5-(1)リスニング
ポイント!会話の状況を把握し、言い換えを聞き取れるか
リスニングでは、まず状況をつかむことです。後半の長文の聞き取りでも、誰と誰が何について話をしているのか、どのような状況か、どの場面をまずは会話から想像しましょう。例えば、待ち合わせ、職場での会話、商談での会話、友達との近況報告の会話(感情の表現)、ホテルで、病気のときなどが出題されます。内容も、その場面に応じて、待ち合わせ時間を確認しているのか、遅れそうなことを報告しているのか、商談についても何が問題となっているのか、そのちょっとした会話から即座に聞き取らなくてはなりません。
問いについてですが、日常会話の中でも例えば、「5分前集合でお願いね」ではなく「待ち合わせの数分前には到着しておいてね」のように、少し複雑な文章となります。そのちょっとした言い変えを聞き取ることができるかがまずは重要です。後半の長文の聞き取りでは、流れを考えて聞くようにしましょう。状況把握→何が問題か→どう解決したか、状況把握→何が起こっているのか→結局どうなったか、状況把握→誰が何を希望しているのか→それが叶ったか、など読まれる文章のストーリーをしっかりとつかみましょう。長文の設問は、1問目が「子供は何をほしがっていますか」「体育館にはいくつの席が準備されていますか」など、状況についての設問、2問目が起こっていることについての、原因、結果、解決方法などを聞かれます。例えば、「電車のチケットはなぜないのですか」「この文章からわかることを選択してください」など。
問題の選択肢も少しひねってありますので、間違えないようにしましょう。4つのうち、2つで迷うことがあると思います。迷った場合には、会話で言っていないことは選ばないようにしましょう。「待ち合わせの数分前には到着しておいてね」という会話の設問が「この男性の言っていることはどういう意味ですか」に対して、「A時間通りに来る、B遅れてこないで、C来なくてもいい、D早めに来てね」という設問だった場合、BとDで悩むと思います。この人は、「遅れてこないでね」とは言っていませんよね、そのような意味が含まれていたとしても、言っていることは「時間の前にくるように」ということですので、Dが正解になります。このように、HSK5級では、設問も言い換えがたくさん出てきますので、間違えないようにしましょう。数字や日にちなどはメモを取ることも重要ですし、時間に余裕のある場合は、事前に問題用紙にある答えを見ておきましょう。答えから、次にどのような会話文が流れてくるかがわかる場合もあります。
5-(2)読解
ポイント!まずは設問の文章を正確に読み取れるか
まずは大問の1は、単語の選択です。語彙力が試されますが、しっかりと事前に学習しておけばそれほど難しくありません。単語帳で勉強した漢字も結構出題されたり、過去問で覚えた漢字も出題されたりします。
その文章の状況に合った単語を選ぶのですが、難しいのは文章の内容です。結末のおかしな笑えるお話や、歴史的な人物の説明など、すんなりと読めるストーリーではありません。単語力に加えて読解力も必要となります。文章を読んでいて、だんだん意味が分からなくなっていくこともあるでしょう。時間との闘いもありますが、できれば2回読むようにしましょう。1回で分かればすぐに回答すればよいですが、内容がよくわからないときには、2回読むとさらに理解度は深まります。
大問の2では、文章に合っている設問を1つ選びます。こちらもリスニングと同じように、文章内で言われていることの言い換えが選択しに出てきます。熟語の言い換えではなく、文章内の一節の言い換えのような場合もあり、少し考える時間が必要です。引っ掛けもたくさん出てきますので、言っていないことは選ばないようにしましょう。もしも単語がわからない場合は、消去法を用いてもよいですし、「絶対に」「すべてが」「必ず」などの言葉が設問に入っている場合はひっかけの場合が多いです。大問1よりも、文章は短いですが、内容が濃く難しいように思います。ですので、設問の選択肢の部分に下線を引き、正確に読み取れるようにしましょう。
大問の3は、長文読解です。日本人は漢字を日頃から使っていますし、大問には写真が付いている場合がありますので、大問1や2に比べると解きやすいかもしれません。ただし、ここは時間との勝負になってきます。じっくり考えている時間はありません。じゃんじゃんと問題を解いていきましょう。文章は長いですので、全部読まなくても、まず設問から読み、その部分の近くの文章を読めば答えることのできる問題もあります。また、たいてい文章のストーリーの順通りに設問が設定されていますので、設問から読み、それを答えていくことで、最終的には全部の文章を読んでいることになります。ですので、はじめから長文を読まなくても、設問から読んで、文章中に答えを探すようにしていきましょう。レベル的には、長文の内容は少しややこしいですが、大問2に比べると読みやすいです。
5-(3)作文
ポイント!語順と基礎文法をマスターしておこう
作文については、語句の並べ替えと、説明文を書く問題が出題されます。語順については、主語が人でない場合も多く、何(S)が何だ(V)という形を作るのに少し苦労するかもしれません。語順を考えるときには、まずは主語と動詞を考えて、その周りの修飾語や副詞、形容詞をくっつけていくようにしましょう。中国語では動詞はメインとなる品詞です。また、受け身文、使役文、「得」「的」「地」、「是~的」構文、目的語を前に出す「把」構文なども出題されます。中国語の基礎文法をしっかりとマスターしておきましょう。作文でも、マスターした文法表現を使って書くことができればよいですね。
6、HSK5級に合格するための勉強法
リスニング、会話力、読解力、書く力など、すべての中国語能力において、スラスラと聞ける、読める、書ける程度でないといけません。HSK6級が専門力ならば、HSK5級は総合力かもしれません。中国語に慣れ親しみ、専門的な単語は分からなくても、中国人と同じように中国で日常生活を送ることができる程度の中国語能力が必要です。もしもHSK4級合格に苦労した人ならば、さらなる総合力アップが必要です。HSK6級を目指して受験する人であれば、6級の勉強をしながら5級を受験するくらいでもよいかもしれません。それでは、具体的にどのようにHSK5級を合格するために勉強すればよいでしょうか。ポイントは3つです!
(1) 過去問を徹底的に解く
(2) 単語力と総合力をつける
(3) 基礎文法と構文はマスターしておく
6-(1)過去問を徹底的に解く
ポイント!自分の弱い項目を集中して勉強しよう
HSKには傾向があります。過去問を解いていくと、同じ熟語が出題されていたり、同じ形式の設問があったりします。ですので、まずは過去問を2~3回分程度解いて、傾向をみつけ、自分の弱い部分に対する対策をしましょう。
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リスニング力をつけたい
HSK5級の場合は、リスニングは少しひねった言い方の会話文が出題されます。後々答えを見なおせば、「なんだ簡単なことを言っていたんだ」と思いますが、リスニングで分からなかったり、聞きなれない言葉が出てくると焦ってしまいますよね。例えば、「女的是什么心情」ではなく「女的是什么语气」と設問で聞かれたりします。ですので、HSK5級に合格するためには、リスニングで中国語の基本単語に加えて、その他の言い方や表し方も知っておかなければなりません。
特に、リスニング力をつけていきたい場合は、単語を勉強しながら耳でも覚えることです。また、中国語での様々な表現の仕方について知っておくために、教科書だけの勉強ではなく、ドラマやニュース、中国のSNSを聞くこともおすすめします。聞いた中国語を紙に書いて、自分がどれだけ聞き取れているのか毎回チェックしながら聞きましょう。聞き取れていない部分は10回でも聞いて耳が聞き取れるようになるまで聞いてみましょう。ドラマやニュースをリスニングする場合は、一つの動画を何度も見直すことで、耳がだんだん慣れてきます。単語はたくさん覚えた方がよいですが、動画の場合は、同じ動画を何度も見直す方法は良いです。そのほかにも、リスニング力をアップするためだけの教材もありますので、それも使って強化するのも良い方法の一つだと思います。
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読解力をつけたい
HSK5級では、問題をスラスラとよめる程度でないと、時間も足りなくなりますし、問題を解くことができません。ですので、読解の力はとても大切になってきます。長文読解が苦手な人は、問題をたくさん解くことで傾向がかなりはっきりとしてきますので、対策は比較的簡単だといえます。しかし、そのほかの文章の正誤問題や、穴埋め問題については、文章が短い文内容も濃く、難しくなりますので、知らない単語が出てくる可能性もあります。しかも、HSK5級では、ポイントとなる文節を読み取れるかがキーポイントとなります。ですので、まずは過去問で問題に慣れておくことが大切です。しかし、普段からスラスラと読める練習をしておくことも大切です。中国語の雑誌、小説、ニュース、SNSなど、インターネットで検索すれば、今の時代はたくさん教材となる文章が出てきますので、1日1ニュースでもよいですし、たくさん中国語の文書に触れておくことが大切です。
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書く力をつけたい
HSK5級では、作文は語順の並べ替えと、説明文となります。もともと単語が与えられていますので、その単語をどのように扱うかが問題となってきます。中国語の語順はとても複雑で、ひとつ漢字が前後するだけで意味も変わってきます。ですので、過去問を解いたときに、自分の書いた文が正確かどうか、中国の友達や学校の先生、語学スクールの講師の人など、まわりの中国語に詳しい人に必ず確認してください。日記などをつけてもよいと思います。また、中国のSNSに中国語で投稿しても勉強になります。簡単な文でも、間違っていることがありますので、丁寧に確認してみましょう。例えば、「私は中国に5年間住んでいます」という文章は、簡単なように見えますが、中国語にすると、「我在中国住了5年」「我住在中国5年了」など、微妙な違いがあります。
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6-(2)単語力と総合力をつける
ポイント!中国語に慣れ親しんで総合力をつけよう
HSK5級では、何より単語力が必要です。常用漢字だけでなく、少し言い方を換えた熟語なども入ってきますので、単語帳で覚えたり、過去問で覚えたり、リスニングをしながら覚えたり、問題がスラスラと読める程度の単語力は必須です。加えて、リスニング、読解、書く力(自分のことを表現したり、ある事柄について説明できたり)と、総合的な力も必要です。過去問を解き、自分の弱いところを対策したら、あとはひたすら過去問をありったけ解いていきましょう。できるだけ、正答率をアップさせていきましょう。
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6-(3)基礎文法と構文はマスターしておく
ポイント!自分に合った参考書で基礎文法を完璧に
HSK5級では、作文など文法表現がたくさん出てきます。「被」「把」「得」など、中国語の基礎文法を完璧にしておきましょう。基礎文法ですので、辞典のような参考書を暗記しなくても大丈夫です。中国語の基礎的な語順、否定文、構文、使役文、受け身文、「的」の省略、「地」「得」の使い方、時間や期間や距離の表現、量詞、可能や義務の表現、離合詞、副詞、介詞、補語など、中国語の特徴のある文法をしっかりとマスターしておきましょう。これは、参考書を使用してもよいですね。過去問からでは、限られてきますので。
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7、HSK5級合格のためのおすすめ教材
HSK5級の合格方法として、過去問を徹底的に解いて対策を考えることは必須です。こちらの教材は、HSK公式の過去問集です。5回分収録されており、何度でも繰り返して解いて総合的に実力アップに結び付けることができます。問題傾向もわかり、対策本としてはおすすめの1冊です。
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HSK5級は、日常会話がすらすらできる程度で、しかも聞き取りも、書くこともできることが求められます。逆に言えば、中国語に慣れ親しんでないと、解きにくい問題もあります。できるだけ、普段からドラマやユーチューブを見るなど、自分の生活に中国語を入れていきましょう。その中に出てくる中国語をよく聞いて、楽しみながら勉強できるくらいがちょうどよいですね!
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