中国語の成句・慣用句の勉強法

さあ、中国語の成句・慣用句を勉強しましょうと言われて、難しいな~、覚えたくない~、後回しにしようかな~、と思う人もいるかもしれませんね。その気持ちはよくわかります。しかし、成句・慣用句は中国では日常会話にたくさん出てきますし、HSKや検定試験にも出てくる分野ですので、必ずマスターしておいた方がよいでしょう。難しく考えなくても大丈夫です!例えば日本でだって「七転八倒」「八方美人」「中途半端」などよく使いますよね。中国でも同じことです。今回は、苦しく覚えるのではなく、できるだけ有意義な勉強法をご紹介したいと思います!

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もくじ
1、成句・慣用句を覚えることは、中国の歴史や文化に触れること!
2、中国の成句・慣用句とは
3、どのように使われている?
4、中国の成句・慣用句の勉強法
 ①HSKや中検に従って覚えていく
 ②教材で覚えていく
 ③ドラマ、小説、ユーチューブなどで覚えていく 
5、中国の成句・慣用句を覚えるときの注意点
 注意①まず答えを見ずに意味を推測してみる
 注意②成句・慣用表現の成り立ちに注目してみる
 注意③覚えられるものから覚えていく
 注意④ピンインや発音も聞きながら覚える
 注意⑤状況やどのようなときに使うかを考えて覚える

1、成句・慣用句を覚えることは、中国の歴史や文化に触れること!

例えば、「背水一战」という成句。漢字をみて意味がすぐに分かる人もいるかもしれません。これは、中国の戦国時代、漢の将軍韓信が趙の軍と戦ったときに、河を背にしても兵を後退させずに死にものぐるいで戦ったことに由来しているそうです。日本語の「背水の陣」のことですよね。正確には、「あとがない状態でも必死に物事を行うこと」を意味します。このように、特に成句にはその由来を調べると中国の歴史や文化に触れることができる場合が多いです。

また、「骑虎难下」という成句には、「虎」という漢字が含まれています。中国では、虎は勇敢、権力、強さなどの象徴です。ちなみに「龍」は強力で縁起の良い力や権力の象徴でもあります。さて、この「骑虎难下」という成句ですが、中国では「虎」は成句でもよく使われる漢字の一つです。虎の強さをイメージするとわかりやすいかもしれません。この「骑虎难下」の場合、漢字の如く「虎にのると、おりるのも難しい(おりると食われるかもしれない)」つまり、「一旦やりだしたことを途中でやめられない状況」を表します。ハイリスクハイリターンのような仕事のときに使います。

このように、中国の成句・慣用句は用いられる漢字をみていくと、その歴史や文化を知ることができますし、中国に興味のある人には、実は面白い教材なのです!以下のような本も出版されており、楽しく読むことができるので、おすすめです!

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2、中国の成句・慣用句とは

二語以上から成る漢字がまとまって意味をなす決まり文句で、いわゆる日本の四文字熟語やことわざのようなものです。習慣的なものや、昔から言われている成句もあります。構造を理解しているとすべての成句・慣用句の意味が分かるというわけではありませんが、いくつかパターンがあるようです。例えば、漢字4つの成句ならば、先の2つの漢字と最後の2つの漢字の意味を分けて考えたり、漢字1つ1つの意味で考えたり、動物や状況などの比喩的な表現から考えたり、構文の一部から考えたり、全体から日本語に直して考えたりと、パターンはいくつもあります。覚えていくときに、単に暗記するのではつまらないですし、すぐに忘れてしまいます。自分なりに、覚え方も身に付けておくとよいでしょう。

「度日如年」→「度」は程度や長さ「日」は1日、「如」は「もし」、「年」は1年、と考えると、「んん~、たぶん、1日の長さは1年くらいに感じるな~という意味かな」と推測できます。※正解は「1年が1日に感じるほど苦痛な日々を過ごすことを表す」ことです。

「不得不~」→「不得」は「~してはいけない」「~は許されない」という意味ですが、そこにまた否定が入ってくると、「~してはいけなくない」と考えることができます。「~してもいい」「~しなければならない」という意味かな~と推測することができます。※正解は「~せずにはいられない」「~しなければならない」という意味です。

「独一无二」→「えっと、一つが独立して二つとない、ああ日本の唯一無二に似ているな」と考えてみます。※正解は「他と比べるものがない、他に比べるに値しない」ことです。

3、どのように使われている?

では、どのような感じで普段使われているのか、会話例から少しご紹介しましょう。

【お友達とのショッピングにて】

□A:诶,这件衣服怎么样!
■B:嗯,还可以吧…但是…
□A:欸,你实话实说吧,我没关系啊。
■B:那么…,我觉得,根本不适合你www!
□A:好的(^-^;

(日本語訳)

□A:ねえ、この服どう!
■B:う~ん、まあまあかな…、でも…
□A:もう、はっきり言ってよ、私気にしないよ。
■B:じゃあ…、思うに、全然似合ってないwww!
□A:OK分かったよ(^-^;

とまあ、このような感じでしょうか。この場合、「实话实说」が「はっきり物事を言う」という成句になります。よく、はっきり言ってよ!はっきり言ってくれていいよ!というように使います。このように、日常会話の中に出てくる成句・慣用句は山ほど!以前、中国の友達との会話の中で成句表現を使ったときがあり、そのときは、その友達はすごいね!とほめてくれました。成句・慣用句を使いこなすことができれば、上級者への道も開けてくるかもしれませんね!

4、中国語の成句・慣用句の勉強法

それでは、魅力ある中国の成句・慣用句の勉強法について、具体的に紹介していきます。今回紹介するのは、3つです!

①HSKや中検に従って覚えていく
②教材で覚えていく
③ドラマ、小説、ユーチューブなどで覚えていく 

①HSKや中検に従って覚えていく

HSK(中国語標準試験)や中国語検定の参考書や過去問集には、よく「常用慣用表現300」のように、成句・慣用句をまとめたページがあります。試験に出題されやすいものから紹介されています。それをHSKや中国語検定の受験勉強とともに覚えていくという勉強法です。HSKや中検では、成句・慣用句は必須といえます。成句・慣用句を中心に勉強したい人は、すでにまとめられているページを有効活用したり、過去問の出題から使い方を覚えたりしていきましょう。試験向けにはよい勉強法でしょう。
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②教材で覚えていく

単語の教材などに、成句・慣用句が掲載されている場合があります。いわるゆ、単語帳で覚えていくというものです。1日10個覚える!という友人もいました。こちらは、暗記になってしまいますので、このような勉強方法が自分には向いている、という人にはおすすめしますが、ついつい3日坊主になってしまったり、途中で挫折してしまった経験のある人は、例文がある教科書を使用したり、単語帳で覚えた成句・慣用句を中国の人との会話で使ってみたりしながら覚えると、覚えやすいかもしれませんね。
こちらの有名教材、「キクタン」は、「キクタン中国語慣用句編中級レベル」という教材です。単語ブックの慣用句バージョンが出版されています。しかも、音で聞きながら覚えることができ、実践的な要素も含まれているのでおすすめです。

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③ドラマ、小説、ユーチューブなどで覚えていく 

最後に、もっともっと実践的な勉強法をご紹介します。試験に出やすいというよりは、日常で使われる成句・慣用句をどんどん覚えていくという方法です。日本にいながら中国語を勉強するのは、本当に大変なことですよね。ですので、できるだけサブカルチャーを用いて実践的に、そして楽しく勉強しましょう。ドラマ、小説、中国の人のユーチューブなどを見て、分からない表現を調べて覚えていきます。

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例えば、この刑事ドラマに出てくる「有毛病」ですが、「没毛病」などよく使われる表現です。「毛病」は悪い癖や欠点の意味で使われますが、「没毛病」は欠点がない、つまり「特に問題はない」という意味です。「有毛病」は問題がある、という意味になりますが、このドラマの場合「你有毛病吧」は「何を言ってんだ」と訳されています。中国の時代劇だと、さらに難しい表現がたくさん出てきますので、勉強になりますよ!

こちらは、とある文芸雑誌に紹介された短いエッセイです。実に、この2ページだけでも、「吃了苦头」(訳:苦い思いをする、苦みをたしなめる)「一口气」(訳:一気に)「千奇百怪」(訳:極めて不思議であること)など結構な数の表現が出てきます。ドラマやユーチューブ、テレビ、ニュースの中国語を見ていて、「あれ、今の表現わからないな」と思ったら、すぐにメモをとり、調べる癖をつけましょう。また、それを自分の財産として、ノートやパソコンにでもよいので、まとめておくようにしましょう。

5、中国語の成句・慣用句を覚えるときの注意点

中国語の成句・慣用句を覚えるときに、ぜひ注意してほしいことがあります。まず、覚えることが大切なのではなくて、覚え方が大切です。ただ単に暗記しても、忘れていくだけです。

注意①まず答えを見ずに意味を推測してみる

中国語の成句・慣用句は数限りなくあります。すべてを覚えるのは大変。ですので、できるだけ、まず意味を推測してみましょう。知っている漢字の意味や、四字成語ならば先の2文字が文法表現の一部になっていることもあります。例えば、

「脱胎换骨」

という成句はどうでしょうか。パッとみて、意味が分かりそうですか?まず、「ああ、何かを脱いで、骨を換えるんだな」、「きっと、何か悪いことを脱ぎ捨てて、自分自身を変える」という意味かな~、と推測します。「胎」は「胎児」や「お母さんのおなかの中」の意味のほかに、「土台」「生地」などの意味もあります。直訳すると「土台を脱ぎ去って骨を換えること」です。正解は、「教育を通して考え方がすっかり変わること」を意味する成語です。良い意味で使われます。学校、家庭教育、スポーツだけでなく普段の生活でも「まったく生まれ変わる様」を表します。「你真的成功减肥,真是脱胎换骨了」(君は本当にダイエットに成功したね、まさに生まれ変わったって感じだよ)というように使います。推測は、少し正解に近かったでしょうか。もちろん、推測だけでは曖昧な覚え方ですので、正解をしっかりと調べる必要がありますし、推測とはかけ離れた意味の成句もあります。しかし、自分の頭の中で考えることで、記憶に残りやすくなります。そして、成句の成り立ちも覚えられるので良い方法です。ちなみに、「脱胎换骨」の反対は、「死不改悔」です。「死ぬまで考え方を換えないこと」をいいます。

注意②成句・慣用表現の成り立ちに注目してみる

先述しましたが、中国語の成句・慣用句には、歴史や文化がつまっています。成り立ちや背景を知ることで、楽しく勉強することができます。例えば、日本語にもある

「吴越同舟」

ですが、「団結して助け合うこと」を意味します。呉の人と越の人が戦争をしていましたが、同じ船に乗り、困難に遭遇すれば、互いに助け合って危機を乗り越えようとすることからきています。特に、仲の良くない者同士について使われる言葉です。紀元前6世紀の中国春秋時代において、呉と越は現在の上海や杭州、寧波辺りで戦争を繰り返していました。この辺りは、海辺であり、蘇州にみられるように川や湖が今でも点在する地域です。きっと、船は今の車のように当時の人々の足であったと考えられます。その船に偶然にも乗り合わせてしまった相対する敵同士。しかし、離岸すると突風や大雨に襲われました。それぞれが協力してロープを引っ張ったり、帆を下げたりしたのでしょうか。これは、あくまで想像ですが、歴史的な一面に加え、地理的にもあてはまる場所で起こった出来事になります。このように、成句の成り立ちや背景を知ることで、時間はかかりますが、楽しく覚えることができますよ!

注意③覚えられるものから覚えていく

さて、覚え方についてですが、単語ブックやHSK、中検の教材にはよく成句・慣用表現の一覧表などが掲載されています。それを一つ一つ上から覚えようとしても、効率的ではありません。自分の中国語のレベルにも関係してきます。意味の知っている漢字が出てくる成句・慣用表現ならば、ある程度推測しながら覚えることができますが、意味も知らない難しい漢字がずらりとならぶ四字成語もある場合、ノートに10回書いて覚えよう、と書いてはみるものの、次の日には忘れている、といったことはありませんか。自分の中国語のレベル、つまり知識にあったものから覚えていけばよいと思います。ですので、一覧表がある場合は、1から目を通し、覚えられるものから覚えていく、そして、2回3回と過去問を繰り返し、また一覧表に目を通して、覚えられるものを覚えていけば、次第に自分のものになる成句・慣用表現も増えていきます。

注意④ピンインや発音も聞きながら覚える

教材によっては、リスニングのCDやダウンロードできるものがあります。ぜひ、書いて覚えるだけではなく、耳からも覚えてください。そうすることで、リスニング力のアップにもつながりますし、記憶力のアップにもつながります。電子辞書を使って調べるとたいてい発音の機能がついていますので、そのような方法でもよいでしょう。

注意⑤状況やどのようなときに使うかを考えて覚える

先述している通り、成句・慣用表現を覚えても、使い方がわからなければ意味がありません。「脱胎换骨」はよい意味で用いられますし、「吴越同舟」は、仲の悪い人同士について用いられる言葉です。つまり、成句・慣用表現にはどのような状況で使うかが大切です。意味を調べるときには、使い方や例文をぜひ見るようにしてください。簡単にメモをとってもよいでしょう。また、ドラマや小説で得た知識ならば、なおさら状況がわかってよいでしょう。

さて、これまで中国語の成句・慣用表現についてその勉強法を紹介してきました。成句や慣用句は、ただ覚えるだけでなく、身になる覚え方がよいです。その方が覚える効率もよくなります。ぜひ、試してみてくださいね!


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