中国語で「〜される」はどう言う?受身文(受動文)の作り方&日本語との違い
日本語で日常的に使う「〜される」という受け身の文。中国語ではどのように言うでしょうか。そもそも中国語では、日本語のように受け身の文を使うのでしょうか。
この記事では、受身文における日本語との違いや、中国語での受身文の作り方を解説します。
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1 日本ほど受け身の文を使わない?
そもそも、日本語は受け身の文を使うことが多い言語です。中国語や英語などでは、受け身が限定的な場面でしか使われないのに対し、日本語では日常的に使われています。
例えば、「小さい頃は、よく母におんぶされた」「顔をひっかかれた」「明日は雨が降ると思われる」「教科書に説明されている」など。これらの例文は全て受け身ですが、日本語では非常に自然な表現です。
では、日本語以外では不自然なのでしょうか?さらに詳しくみてみましょう。
●「小さい頃は、よく母におんぶされた」の場合
・小时候妈妈常常背我。xiǎoshíhou māma chángcháng bēi wǒ.(直訳:小さい頃は、母がよく私をおんぶした)
このように、行為者を主語にした能動文が一般的です。
中国語では被害感情に焦点を当てて受け身の文を用いることはありますが、日本語は被害感情に関係なく話し手(の感情)に焦点を当てた受け身の文を使うことが多いです。
●「顔をひっかかれた」の場合
日本語は、受け身を使って主語を省略したりはっきりさせないことが多いのも特徴です。 「顔をひっかかれた」という日本語の文は、誰がひっかいたかをはっきりさせることなく、話し手の感情に焦点を当てることができます。
そもそも行為者が分からない場合もありますが、行為者に配慮して主語をぼやかす場合もあるのが日本語らしいところです。
[行為者がわかる場合]〇〇抓了我的脸。〇〇 zhuā le wǒ de liǎn. (直訳:〇〇が私の顔を引っ掻いた)
[行為者がわからない場合]有人抓了我的脸。yǒurén zhuā le wǒ de liǎn. (直訳:誰かが私の顔を引っ掻いた)
と、いずれも能動文で表すのが自然です。
●「明日は雨が降ると思われる」の場合
日本語では、自分の意見を述べるときに「思われる」と受け身にすることで断定を避け、意見をぼかすことがあります。日本語ははっきりした主張を避けたり、曖昧な表現を好んだりするのが特徴です。
・我觉得明天会下雨。wǒ juéde míngtiān huì xiàyǔ.(直訳:明日は雨が降ると思う)
・看起来明天会下雨。kàn qǐlái míngtiān huì xiàyǔ.(直訳:見た感じ、明日は雨が降りそうだ)
と、能動文で表すのが自然です。
●「教科書に説明されている」の場合
日本語では、中国語や英語などと比べて無生物主語を用いた表現にあまり馴染みがありません。そのため、「教科書が説明している」というよりも「教科書に説明されている」という方が自然です。
・教科书说明〇〇。jiàokēshū shuōmíng 〇〇.(直訳:教科書が〇〇を説明している)
と、無生物を主語にした能動文が自然です。
まとめると、日本語は他の言語より受け身の文を使うことが多いです。 中国語でも受け身の文を用いることはありますが、日本語のように多用はしません。そのため日本語の受け身の文を直訳するのは注意が必要です。
2 中国語の受身文の作り方
中国語は日本語ほど受身文を使わないという前提のもと、中国語の受身文の作り方を見ていきましょう。先ほど解説したように、中国語の受身文は「誰かに何かをされた」という被害感情に焦点を当てて用いられることが多いです。
(1)「“被”構文」の作り方
中国語の受身文は,“被(bèi)”“让(ràng)”“叫(jiào)”“给(gěi)”などを用いて次のように表します。
| “被” | ||
| 主語 | “让”“叫” | + 行為者 + 動詞 + その他の要素 |
| “给” |
この文型は「“被”構文」といいます。“被(bèi)”に比べて、“让(ràng)”“叫(jiào)”“给(gěi)”は口語的です。
・他被老师批评了。tā jiào lǎoshī pīpíng le. 「彼は先生に叱られた」
・(口語)我们的秘密让妈妈听见了。wǒmen de mìmì ràng māma tīngjiàn le. 「私たちの秘密は母に聞かれてしまった」
・(口語)我的电脑叫妹妹弄坏了。wǒ de diànnǎo jiào mèimei nòng huài le. 「私のパソコンは妹に壊された」
・(口語)树叶给虫子吃光了。shùyè gěi chóngzi chī guāng le. 「葉っぱが虫に全部食べられた」
また、「誰に〜された」という“誰”(行為者)を明示しない場合は、行為者を省略して“被(bèi)+動詞+その他の要素”、または、“给(gěi)+動詞+その他の要素”と表すことができます。“叫(jiào)”“让(ràng)”に、この用法はありません。
・他被批评了。tā bèi pīpíng le. 「彼は叱られた」
・我们的秘密被听见了。wǒmen de mìmì bèi tīngjiàn le. 「私たちの秘密が聞かれてしまった」
・(口語)我的电脑给弄坏了。wǒ de diànnǎo gěi nòng huài le. 「パソコンが壊された」
・(口語)树叶给吃光了。shùyè gěi chī guāng le. 「葉っぱが全部食べられた」
(2)否定文の作り方
受け身の否定文では“没(有)(méi(yǒu))”が使われることが多いです。 否定の副詞は、“被(bèi)”““让(ràng)”叫(jiào)”“给(gěi)”の前に置きます。
・他没被大学录取。tā méi bèi dàxué lùqǔ. 「彼は大学に採用されなかった」
・(口語)我们的秘密没有让妈妈听见。wǒmen de mìmì méiyǒu ràng māma tīngjiàn. 「秘密は母に聞かれなかった」
(3)副詞や助動詞の語順
否定の副詞と同じように、他の副詞や助動詞も“被(bèi)”““让(ràng)”叫(jiào)”“给(gěi)”の前に置きます。
・(口語)那个小偷可能叫警察抓了。nàge xiǎotōu kěnéng jiào jǐngchá zhuā le. 「その泥棒は警察に捕まったかもしれない」
・(口語)他一直不听话,会给妈妈打的。tā yīzhí bù tīnghuà, huì gěi māma dǎ de. 「彼はずっと言うことを聞かないので、お母さんに叩かれるよ」
・我也被蚊子咬了。wǒ yě bèi wénzi yǎo le. 「私も蚊に刺された」
(4)疑問文の作り方
受け身の疑問文は大きく3つの作り方ができます。
①“吗(ma)”を語尾につけたシンプルなYes/No疑問文:
・你被小偷偷东西了吗?nǐ bèi xiǎotōu tōu dōngxī le ma? 「泥棒に物を盗られたの?」
②“吧(ba)”を語尾につけた推量・確認の疑問文:
・你没有被女朋友甩了吧?nǐ méiyǒu bèi nǚpéngyǒu shuǎi le ba? 「彼女に振られてないよね?」
③相手に詳細を聞く疑問詞疑問文:(疑問詞:谁(shéi),什么(shénme),什么时候(shénme shíhou),为什么(wèishénme)など)
・你被谁打了?nǐ bèi shéi dǎ le? 「誰に殴られたの?」
・我为什么被解雇了?wǒ wèishénme bèi jiěgù le? 「私はなぜクビになったの?」
3 まとめ
今回は、中国語で「〜される」といった受身文の作り方と日本語との違いを解説しました。日本語は受け身の表現を多用する言語であるため、日本語の受身文を直訳するのは注意が必要です。その上で、中国語では被害感情に焦点を当てて受身文にすることがあります。その際には、今回の記事の説明や例文などを参考にしてみてください!

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