第19課 兼語文と使役表現

今回は、中国語の様々な使役表現についてご紹介していきます!「~に~してもらう」「~させる」のような、使役表現、動詞、対象の人、物、などがかかわってくる文法上少し複雑な文章ですが、フレーズさえ覚えてしまえば、大丈夫です!兼語文や使役表現にも色々な種類がありますので、できればたくさん覚えてたくさん使えるようになっておいた方がよいですね!

もくじ
1、兼語文とは
(1)兼語文とは
(2)兼語文の色々
2、使役表現について
(1)使役表現の色々
(2)使役表現の肯定文
3、使役表現の否定文について
4、使役表現の疑問文について
ポイントはここだ!

1、兼語文とは

1、兼語文とは

中国語の基本の文は、主語+述語(動詞)+目的語となりますが、この兼語文とは、そのような2つの文が重なって、ある1つの品詞部分が他の品詞を「兼ねている文」のことをいいます。

今回は、もう少し詳しく、

■兼語文とは
■兼語文の色々

についてご紹介します。その後、特に兼語文でよくみられる使役表現についても詳しく解説していきます!

    

(1)兼語文とは

上述しましたが、中国語の兼語文とは、2つの文が重なっている構造の文のことです。具体的に説明すると、例えば、「文1:主語+述語+目的語」と「文2:主語+述語+目的語」の2つ文の、文1の目的語が、文2の主語になっていることです。文1の目的語が後半の文の主語も兼ねるということで、「兼語文」と言うんですね。

<兼語文>
例:我让他做饭。(私は彼に料理を作らせる※作ってもらう)

文1:主語+述語+目的語
文2:      主語+述語+目的語
文1:我+让+
文2:    +做+饭

ここで、注目したいのは、この「让」と言う使役動詞です。このように、兼語文の場合、色々な種類がありますが、前半の文の動詞に特徴があります。前半の動詞が後半の動詞にかかわってきます。

例:我让孩子坐上车。(子どもを車に乗せる。)

文1:我+让+ 孩子
文2:     孩子 + 坐上 +车

例:不好意思,我让你困扰。(ごめんなさい、あなたを困らせて。)

文1:我+让+
文2:     + 困扰

    

(2)兼語文の色々

中国語の兼語文の動詞は、色々な種類に分けることができます。「~に~させる」「~に~してもらう」「~に~するように言う」「~に~される」「~に~するように指示する」「~によって~が~した」などなど、使役動詞と兼語、そして2つ目の動詞の組み合わせは結構あります。ここでは、主に中国語でよく使われる兼語文をご紹介します。

中国語の主な兼語文

使役文~させる
受身文 ~される
命令文~に~するよう命令する、指示するなど
依頼文~に~してもらう、~に~していただく
愛憎表現の文~で感動した、~は私を怒らせた
「有人~」誰かが~に~する

例えば、語順を確かめながら、例文をみていきましょう。前半の動詞が、後半の兼語が主語となる文章の動詞部分を変化させているのが分かりますね。

使役文wǒ ràng nǐ jiǔ děng le 。
你久等了。
お待たせしました。
受身文wǒ de qián bāo bèi xiǎo tōu tōu le 。
我的钱包小偷偷了。
お財布を泥棒に盗まれた。
命令文duì zhǎng mìng lìng tā zūn shǒu jì lǜ 。
队长命令他遵守纪律。
隊長は彼に規則順守を命じた。
依頼文wǒ qǐng dà jiā kǎo lǜ hǎo bàn fǎ 。
大家考虑好办法。
みんなにより良い方法を考えてもらいたい。
愛憎表現の文wǒ xiàn mù nǐ huì shuō zhōng wén hěn hǎo
羡慕你会说中文很好。
あなたが中国語が上手なのがうらやましい。
「有人~」yǒu rén sòng wǒ yī fú le 。
有人送我衣服了。
誰かから服をもらいました。

     

2、使役表現について

2、使役表現とは

それでは、ここで代表的な兼語文の使役表現についてご紹介していきます。使役表現とは、「~に~させる」という日本語訳が基本の文です。英語にも「make」「give」「have」などがありますよね。「~に~させる」という訳だけでなく、「~に~してもらう」といった方がより正確な場合もあります。

使役表現では、以下のことをご紹介します、

■使役表現の色々
■使役表現の否定文
■使役表現の疑問文

使役表現では、主語が人でない場合があります。例えば「この本は私を泣かせた」「このテレビは私を感動させた」など、主語が人でないですね。さらに、許可の意味を含んだ使役動詞もあります。以下、違いを理解しながら覚えましょう。

    

(1)使役表現の色々

中国語の使役表現には、様々な使役動詞があり、意味も様々です。以下、主な使役動詞についてご紹介します。

~させる
~させる、~するように言う
使(感情をともなう)~させる
(許可の意味を含み)~させる
~してもらう

それぞれの意味の違いをしっかりと理解して使うようにしましょう。

「让」…「~させる」「~に~するように言う」
「叫」…「~させる」「~に~するように言う」
「使」…(感情の動詞)「~させる」※感動させる、喜ばせるなど
「给」…(許可の動詞)「~させる」「~するのを許可する」
「请」…「~してもらう」「~するようお願いする」

のような違いがあります。次の章で例文を確認してください。中でも、「让」と「叫」は、「使」と同じ使い方もできます。

   

その他の使役動詞
その他にも、中国語には様々な使役動詞があります。例えば、「~に~するよう派遣する」「~が~するのが好き」など。
派…~に~するよう派遣する
喜欢…~が~するのが好き
愿意…~が~するのを希望する

     

(2)使役表現の肯定文

それでは、それぞれの使役動詞の使い方についてみていきましょう。基本となる文型は、「主語+使役動詞+兼語+動詞+目的語」です。1つ目の動詞である使役動詞により、後半の2つ目の動詞の意味が変わってきます。例えば、「社長が部下に資料を作らせた」という場合は、後半の動詞「作る」は「作らせた」に変わります。

文法(基本):主語+使役動詞+兼語+動詞+目的語

「让」

「让」は一般的な動詞に使われ、よく見る使役動詞です。「~される」「~するように言う」という意味になります、

lǎo shī ràng wǒ zuò xià 。
老师让我坐下。
先生は私を座らせた。
shàng sī ràng bù xià zuò le fù jiā zī liào 。
上司让部下做了附加资料 。
上司は部下に追加資料を作るように言った。
wǒ ràng nǐ dān xīn , bù hǎo yì sī 。
我让你担心,不好意思。
心配させて、ごめんなさい。

「叫」

「叫」も「让」と同じような使い方をします。だたし、どちらかというと、「~に~させる」というよりも、「~に~するように言う」という意味が大きいかもしれません。しかし、どちらでも使うことができます。

mā mā jiào hái zǐ shōu shí fáng jiān 。
妈妈叫孩子收拾房间。
母は子どもに部屋を片付けさせた。
lǎo shī jiào wǒ zuò le hěn duō zuò yè 。
老师叫我做了很多作业。
先生は私にたくさんの宿題をするように言った。
jiào kě ài de ér zǐ yí gè rén lǚ xíng 。
叫可爱的儿子一个人旅行。
可愛い息子に一人で旅をさせる。

「使」

この「使」という使役動詞は、主に感情表現の一部として用いられます。「怒らせた」「喜ばせた」「悲しませた」など。

zhàng fū de yī jù huà shǐ qī zǐ hěn shēng qì 。
丈夫的一句话使妻子很生气。
旦那の一言が妻を怒らせた。
zhè běn shū shǐ wǒ mén hěn gǎn dòng 。
这本书使我们很感动。
この本は私たちを感動させた。
huái yùn de xiāo xī ràng jiā rén hěn gāo xìng 。
怀孕的消息让家人很高兴。
子どもができたという知らせは家族を喜ばせた。

「给」

この「给」という使役動詞は、許可の意味が含まれますので、「子どもに宿題をさせる」というようなときには使いません。「ちょっとそれ見せてよ」というようなときに使います。英語の「let me see」のようなときですね。

gěi wǒ kàn yī xià jià shǐ zhí zhào 。
给我看一下驾驶执照。
免許所を見せなさい。
gěi wǒ kàn kàn 。
给我看看。
ちょっと見せて。

「请」

この「请」という使役動詞には、「~に~してらもう」「~に~するようにお願いする」「目上の人に、~していただく」というような、依頼、お願い、丁寧な表現としての意味があります。

tā qǐng wǒ zhǎo gōng zuò 。
他请我找工作。
彼は私に仕事を探すよう頼んだ。
wǒ mén qǐng tā ná xíng lǐ 。
我们请他拿行李。
彼に荷物を持つようにお願いした。

「请」の様々な用法
この「请」というのは、中国語初級者の方でもご存知な通り、何かをお願いしたり、丁寧な言い方をするときに使いますよね。例えば、「请给我一杯水。(一杯お水をください。)」のように。ですが、実は、この「请」には他にも意味があることを知っておくと、より中国語の幅が広がりますよ!
<「请」の用法>
①申請する、求める
②招く、迎える
③(誰かにご飯を)おごる、ごちそうする
④(何かをお願いするときにの丁寧な言い方)
⑤使役動詞の「~してもらう」

    

3、使役表現の否定文について

中国語の使役表現の否定文では、「让」「叫」など使役動詞の前に、「不」あるいは「没(有)」を置きます。使役動詞を否定形にすることで、後半の2つ名の動詞も否定されます。例えば、「お母さんはゲームをさせてくれない」といったときには、使役動詞「让」を「不让」にしますが、実際は後半の動詞が否定されます。

文法: 主語+不/没有+使役動詞+兼語+動詞(+目的語)
mā mā bù ràng wǒ wán yóu xì 。
妈妈不让我玩游戏。
お母さんがゲームをさせてくれない。
nà cì shì gù méi yǒu shǐ tā shòu shāng 。
那次事故没有使他受伤。
その事故は彼にけがを負わせることはなかった。

    

4、使役表現の疑問文について

使役表現の疑問文の作り方は、「吗」をつける諾否疑問文、使役動詞を繰り返す反復疑問文、疑問詞を入れる疑問詞疑問文があります。

諾否疑問文

péng yǒu ràng nǐ qù mǎi líng shí má ?
朋友你去买零食
友達はあなたにお菓子を買いに行かせますか?
nà gè diàn shì jié mù shǐ nǐ gǎn dòng má ?
那个电视节目使你感动
そのテレビ番組はあなたを感動させましたか?

反復疑問文

péng yǒu ràng bù ràng nǐ qù mǎi líng shí ?
朋友让不让你去买零食?
友達はあなたにお菓子を買いに行かせますか?
nà gè diàn shì jié mù jiào bù jiào nǐ gǎn dòng ?
那个电视节目叫不叫你感动?
そのテレビ番組はあなたを感動させましたか?

疑問詞疑問文

shuí ràng nǐ qù mǎi líng shí ?
谁让你去买零食?
誰があなたにお菓子を買いに行かせますか?
shén me diàn shì jié mù shǐ nǐ gǎn dòng ?
什么电视节目使你感动?
何のテレビがあなたを感動させましたか?

使役表現の日本語訳について
中国語の使役表現の日本語訳は、直訳が伝わりやすい場合と、そうでない場合があると思います。例えば、「给我看看」は「見せて」という直訳でもわかりやすいですが、「什么电视节目使你感动? 」の場合、「何のテレビがあなたを感動させましたか?」という直訳よりも、「何のテレビで感動しますか?」の方がより伝わりやすいですよね。使役動詞を使った文を日本語にする場合は、少し考えてみるとよいでしょう。

    

 ポイントはここだ!



兼語文について

1、兼語文とは、2つの文が1つの文になるとき、S+V+Oの前半の目的語Oと、後半の
S+V+Oの主語Sが1つの兼語として、目的語と主語を兼ねており、そのような文を兼語文といいます。
2、兼語文には、使役文、受身文など様々な種類があります。前半の文に使役動詞などが入り、後半の文の動詞の意味が変わってきます。

使役表現について
1、基本形は「主語+使役動詞+兼語+動詞+目的語」です。この使役動詞には色々な種類があり、意味合いによってさまざまな使役動詞を使い分けます。
2、使役動詞では、「让」「叫」「使」「给」「请」などがよく使われます。それぞれ意味の違いがあります。
4、使役表現の否定文では、「不」「没有」を用います。疑問文では、「吗」の諾否疑問文や、使役動詞を反復させる反復疑問文、そして疑問詞疑問文があります。