第14課 様態補語と程度補語

中国語には、動詞や形容詞をさらに詳しく説明するような「補語」というものがあります。これをうまく使いこなすことができるようになると、より一層中国語の作文能力や会話力もアップしますよ!少し難しいですが、ぜひ学んでいきましょう!

もくじ
1、様態補語について
2、様態補語の肯定文
(1)基本の文型
(2)目的語があるときの肯定文
3、様態補語の否定文
4、様態補語の疑問文
5、程度補語について
(1)「得」+程度補語
(2)程度補語+「了」
ポイントはここだ!

1、様態補語について

1、様態補語と「得」

中国語には、「補語」といって、動詞や形容詞をさらに細かく修飾できる用語があります。この「補語」には色々な種類があり、今回は「様態補語」について解説していきます。様態補語、動詞や形容詞について、その動作や状態を具体的に描写するために「得」という言葉をくっつけて用いられます。

      

中国語の様態補語は「得dé」の後に、動詞や形容詞の状態や動作を詳しく説明するものです。

tā pǎo dé kuài 。
他跑得快。
彼は走るのがはやい。
wǒ yé yé de ěr duǒ huán tīng dé qīng chǔ 。
我爷爷的耳朵还听得清楚。
祖父の耳はよく聞こえている。

よく用いられる動詞+得dé+(副詞)+様態補語の様態補語としては、以下のような形容詞があります。また、「我累得什么都吃不下」のように「形容詞+得+動詞+目的語」のように、「得」のあとがフレーズになっていることもあります。

得(很)快~のが速い
得(很)早~のが早い
得(很)晚~のがおそい
得(很)清楚~のがよい
得(很)好~のが上手い
得不错~のが上手い
得流利~のが流暢
など

また、使い方として、

肯定文…①基本文型 ②動詞に目的語のある肯定文
否定文…様態補語を否定形に
疑問文…諾否疑問文、反復疑問文、疑問詞疑問文

があります。

    

2、様態補語の肯定文

(1)基本の文型

この様態補語は動詞や形容詞のあとに「得」をおき、その後にさらに、動詞や形容詞の状態や動作を詳しく説明する形容詞、フレーズを置きます。

文法1: 動詞・形容詞+得+様態補語
nǐ shuō dé duì 。
说得对。
あなたの言うのが正しい。
wǒ de mā mā qǐ dé zǎo 。
我的妈妈起得早。
お母さんは起きるのが早い。

「得」のあとに、フレーズをもってくることもできます。何がどのようだったかなど、形容詞だけではなく、主語+述語のようなフレーズを置くこともできます。

文法2:主語+動詞 +得+様態補語(フレーズ)
nǐ shuō dé yǒu diǎn guò fèn le 。
说得有点过分了。
言い過ぎじゃないの。
(あなたの言ったのが過ぎている。)
wǒ léi dé shén me dū chī bù xià 。
累得什么都吃不下。
疲れて何も食べれない。

「得」のあとに「早」「快」などの状態を表す形容詞だけでなく、「很快」「不太好」、また「有点过分了」などのようにフレーズがくることもあります。

様態補語のフレーズについて
「得」のあとに置く様態補語には、形容詞だけでなく、フレーズを置くことができます。フレーズといっても、色々ありますよね。「得」のあとには、主に以下のようなフレーズを置くことができます。

①形容詞フレーズ
②主語+述語のフレーズ
③動詞/形容詞+補語、その他の補充フレーズ

    

(2)目的語があるときの肯定文

様態補語の動詞に目的語がある場合は、動詞+目的語のあとに、再度同じ動詞を置いてから「得」をくっつけます。それは、様態補語は動詞を直接的に説明するものですので、動詞と離すことができないためです。

文法:主語+動詞+目的語+動詞+得+様態補語
tā chàng gē chàng dé hěn hǎo 。
她唱歌唱得很好。
彼女は歌を歌うのが上手い。
tā shuō yīng yǔ shuō dé hěn liú lì 。
他说英语说得很流利。
彼は英語を話すのが流暢だ。
tā kàn shū kàn dé rù mí le 。
他看书看得入迷了 。
彼は読書にふけった。

動詞の省略
目的語をもつ動詞と様態補語の場合、動詞を2回言わなければなりませんが、1つ目の動詞を省略することもできます。

说英语说得很流利。⇒他英语说得很流利。
※1つ名の「说」を省略

     

3、様態補語の否定文

様態補語の場合、否定文では様態補語の部分を「不」などを用いて否定形にします。

文法: 主語+動詞・形容詞+得+否定+様態補語
wǒ de hái zǐ rèn hàn zì rèn de bù shǎo 。
我的孩子认汉字认得不少。
うちの子は漢字をよく知っている。
wǒ yīng yǔ shuō dé bù tài hǎo 。
我英语说得不太好
私は英語をあまりうまく話しません。

    

4、様態補語の疑問文

様態補語を疑問文にするときには、文末に「吗」をつける諾否疑問文、様態補語の部分を反復疑問文にする方法と、様態補語の部分に疑問詞を入れる様態補語の部分を疑問の形にして,反復疑問文にする。

文法1: 主語+動詞+得+様態補語+吗?
tā pǎo dé hěn kuài má ?
他跑得很快
中国へ行ったことがありますか?
tā dàn gāng qín dàn dé hǎo má ?
她弹钢琴弹得好
日本に来たことがありますか?
文法2: 主語+動詞+得+反復疑問文?
tā pǎo dé kuài bù kuài ?
他跑得快不快
中国へ行ったことがありますか?
tā dàn gāng qín dàn dé hǎo bù hǎo ?
她弹钢琴弹得好不好
日本に来たことがありますか?
文法3: 主語+動詞+得+疑問詞疑問文?
nǐ rì yǔ jì de duō shǎo ?
你日语记得多少
日本語をどのくらい覚えましたか?
tā yīng yǔ shuō dé zěn me yàng ?
她英语说得怎么样
彼女の英語はどうですか?

      

5、程度補語について

5、程度補語とは

程度補語は形容詞や一部の動詞と「得」でむすびつき、その程度を表します。特に、その程度が「高い、すごい、とても」のように、程度が甚だしいことを表すことが多いです。また、「得」を用いず、語気助詞の「了」を使って形容詞などの程度を表す場合もあります。ですので、様態補語とは区別しておきましょう。

「形容詞+得+程度補語」の形でよく用いられる程度補語として、以下のようなものがあります。日本語に訳すときには、「とても」という意味にほとんどが違いので、難しいですが、嬉しくて仕方ない、嬉しくてたまらないなど微妙なニュアンスに違いがあります。

得多とても
得很とても
得要命ひどく
得要死すごく
得不行しかたない
得不得了たまらない
など

また、「得」を用いずに、程度補語+「了」で、動詞や形容詞の程度を表すときもあります。よく使う程度補語は以下のようになっています。

多了とても
极了ずごく
死了ひどく
坏了たまらない
など

    

(1)「得」+程度補語

程度補語の中でも、「得」を用いる程度補語の用法と例文をご紹介します。実は、それぞれの程度補語によってニュアンスや使い方も微妙に違ってきます。

文法:形容詞/動詞+得+程度補語

「得多」

「得多」は差が大きいことを表し、主に比較の文章の中で用いられることが多いです。ですので、様態補語の場合は「得+多」ですが、程度補語の場合は「比+得+多」と覚えておくとよいでしょう。

wǒ ér zǐ chī lā miàn bǐ wǒ chī dé duō 。
我儿子吃拉面比我吃得多
うちの子は私よりラーメンをとても食べた。
nǐ bǐ wǒ de māo huán yào kě ài dé duō 。
你比我的猫还要可爱得多
あなたの猫はわたしのよりとても可愛い。

「得很」

「得很」は程度が高いことを表します。とくに、形容詞では「好」「高兴」「喜欢」などの良い言葉がくることが多いです。

zhè yàng zuò hǎo dé hěn 。
这样做好得很
そうするのが大変よい。
tā xǐ huān dé hěn 。
他喜欢得很
かれはとても喜んでいる。

「得要命」や「得要死」

「得要命」や「得要死」は形容詞や動詞の状態がひどく、すごくという意味で用いられます。日本語の「死ぬほど~」というような意味あいに近いです。

wǒ duì tā xǐ huān dé yào mìng 。
我对他喜欢得要命
わたしは彼のことがものすごく好きです。
jīn tiān léi dé yào sǐ 。
今天累得要死
今日は死ぬほど疲れている。

「得不行」や「得不得了」

「得不行」や「得不得了」は、形容詞/動詞の程度が極めてはなはだしいことを表します。ですので、「~でたまらない」「~しかたがない」というように訳す場合が多いです。

wǒ gāo xìng dé bù xíng 。
我高兴得不行
楽しくて仕方がない。
wǒ de māo mī kě ài dé bù dé le 。
我的猫咪可爱得不得了
私の猫が可愛くてたまらない。

    

(2)程度補語+「了」

程度補語は、「得」を用いずに、語気助詞「了」と程度補語をくっ付けて表現することがあります。こちらの程度補語も、それぞれで意味あいが微妙に異なりますので、注意しましょう。

文法:形容詞/動詞+程度補語+了

「多了」

差が大きいことを表す程度補語で、比較の文章に用いられることが多いです。

nǐ bǐ wǒ piào liàng duō le 。
你比我漂亮多了
わたしよりずっと奇麗。
xiàn zài de rì zǐ bǐ guò qù hǎo duō le 。
现在的日子比过去好多了
今は以前よりもずっと良い日々だ。

「极了」「死了」「坏了」

これらは、その程度がひごくはなはだしいことを表します。「死ぬほど」「ものすごく」「きわめて」「たまらなく」などのような日本語になります。

zhè dào de fēng jǐng měi jí le 。
这辺的风景美极了
このあたりの景色はものすごく美しい。
wǒ jīn tiān léi sǐ le 。
我今天累死了
今日は死ぬほど疲れた。
zhè shì qíng bǎ tā xià huài le 。
这事情把她吓坏了
このことは彼女をひどく落胆させた。

程度補語の良い意味、悪い意味
実は、これまで紹介してきた程度補語には、良い意味で多く用いられる場合と、「疲れた」「おなかが空いている」などマイナスの意味に用いられるものが多い場合があります。これを押さえておけば、さらに中国語力もアップしますね!

「多了」…比較として差が大きいことについて
「极了」…良いこと、マイナスなこと両方OK
「死了」…好ましくないこと(例外もあり)
「坏了」…好ましくないこと(例外もあり)

    

 ポイントはここだ!



様態補語について

1、様態補語は、動詞や形容詞について、その動作や状態を具体的に描写するために「得」という言葉をくっつけて用いられます。
2、基本形は「動詞・形容詞+得+様態補語」ですが、動詞に目的語がある場合は特別で「主語+動詞+目的語+動詞+得+様態補語 」となります。
3、否定文では様態補語の部分を「不」を用いて否定形にします。疑問文では、文末「吗」を置く諾否疑問文、反復疑問文、疑問詞疑問文があります。

程度補語について
1、程度補語は、「得」や「了」を用いて、程度を表します。程度が高いこと、すごいこと、ひどいこと、はなはだしいことなどをあらわします。
2、基本形は、「動詞・形容詞+得+程度補語」もしくは「動詞・形容詞+程度補語+了」となります。
3、「得多」や「多了」は比較文の中で差が大きいことを表します。
4、そのほかの程度補語については、良い意味で用いられる場合と、マイナスな意味で用いられる場合と、両方で用いられる場合があります。