通訳案内士について詳しく解説!

「通訳案内士」というと「全国通訳案内士」をイメージされる人も多いでしょう。最近では、資格保持者が都市部に集中しないように、「地域通訳案内士」という都道府県が独自で行う試験もあります。今回は、この通訳案内士のお仕事について紹介します!これから、通訳案内士を目指したいという人必見です!

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もくじ
1、知っておくべき法改正について
2、試験の主催って?
3、全国通訳案内士とは
4、地域通訳案内士とは
5、全国通訳案内士の試験の概要
6、全国通訳案内士の試験の日程
7、全国通訳案内士の試験レベルと合格率
8、全国通訳案内士の試験内容
9、全国通訳案内士の試験教材
10、全国通訳案内士に合格したら都道府県への登録をお忘れなく!

1、知っておくべき法改正について

全国通訳案内士とは、実は最近の資格なんです。2017年6月公布、2018年1月施行となった「通訳案内士法及び旅行業法の一部改正法律」(平成29年法律第50号)により、これまでの「通訳案内士」は「全国通訳案内士」と呼ばれるようになり、しかも資格を有さない人が該当資格の名称や類似名称を用いることができなくなりました。でも、この法律で通訳案内士について業務独占資格から名称独占資格へと見直されたということは、つまり通訳案内士の量的不足やガイドニーズの多様化に対応するためとして、自由化され、資格を有しなくても通訳案内業を営むことが可能となり、通訳案内でお金をもらうことについて、その仕事の幅が緩和されたのですね。

注意すべきこととして、「地域通訳案内士」は「全国通訳案内士」とは全く別のものだということです。各自治体が研修を設定して地域通訳案内士を認定します。

2、試験の主催って?

全国通訳案内士試験の主催は、現在は国土交通省所管の独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)が観光庁の代行機関となり実施しています。ただし、2021年度に関しては、試験運営業務などについて株式会社TKPコミュニケーションズに委託しているようです。

3、全国通訳案内士とは

通訳案内法において、「報酬を得て、通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすることをいう。)を業とする。」とされています。まずは、国家試験に合格した人ですね。「高度な外国語能力や日本全国の歴史・地理・文化等の観光に関する質の高い知識を有する者」とみなされた人のことです。

レベルの高い試験ですので、日本の歴史が好き、日本の文化が好き、日本の地理や観光が好き、日本の自然が好き、日本中旅行するのが好き、もっと外国人に日本の良いところを広めたい!もっと自分の語学力を外国人観光客の人のために活かしたい!という人でないと、難しいですね。単に就職に使いたいからといって試験を受けるのではなく、就職のその先を見据えて、自分がどのような仕事で観光に携わりたいか、日本のどのようなところを外国人に知ってほしいかなど、自分の将来像がしっかりできていなければ、勉強に身が入らないかもしれません。実際に、試験の内容もそのようなものばかりです。日本の文化、歴史などの知識を問う問題ばかりで、自分が行ったことのある場所でないと勉強をしていてもピンとこないですし、着物、茶道など日本文化が本当に大好きだという人でないと難しいです。

また、「全国通訳案内士」として都道府県の登録を受けた人になります。実は、この登録が結構大切なことで、試験に合格した!と喜んでいるだけではダメなのです。試験に合格したら、まずは働きたい都道府県へ登録する必要があります。

全国通訳案内士は国家試験を合格した人です。通訳の語学の資格では唯一の国家試験です。ですので、英語でいうならば英検1級と同じレベルといわれ、難易度はかなり高いそうです。しかも、試験内容が語学だけではなく、歴史や地理などもあるので、勉強の幅も広いです。この資格を持っている人は、通訳としても活躍できるだけでなく、観光ガイドやツアーガイドといった観光に特化した働き口が確保できやすくなります。難易度は高いですが、旅行会社など就職、転職に有利ということもあり、この試験にチャレンジする人もいるようです。先述しましたが、法改正で有償の通訳ガイド自体は無資格で行うことができます。しかし、この資格があるとないとでは、大きく違うことを覚えておきましょう!

4、地域通訳案内士とは

地域通訳案内士は、特定の地域内において、「報酬を得て、通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすることをいう。)を業とする。」とされています。つまり、都道府県や市町村において、その固有の歴史や地理、文化等の現地情報に精通した人であり、各自治体が行う研修受講を通して「地域通訳案内士」として登録を受けた人のことになります。「全国通訳案内士」に比べると、レベルがググっと低くなりますよね。むしろ、「全国通訳案内士」の試験が難しすぎて、インバウンドで増え続ける外国人観光客に対応する人材を確保するために、作られた制度だともいわれています。また、全国ではなく、各自治体に特化していることも良い点だともいえます。その地域に住み、その地域を肌で感じている人だから説明ができる文化、歴史、街づくりの経緯などもありますよね。

例えば、京都市を例に説明をすると、京都市では「京都市認定通訳ガイド(京都市・宇治市・大津市地域通訳案内士)」、通称京都市ビジターズホストを認定しています。書類審査を通過した受講生が、受講料を支払い、基礎研修(接客対応やガイドの知識)、専門研修(伝統産業、文化財、食文化など)、上級救命講習を受講します。90分合計39講座を5か月間で学びます。その後、口述試験があり、合格した人が京都市認定通訳ガイドとして登録し働くことができます。言語は、英語、中国語、フランス語などです。応募資格では語学のレベルも問われますので、語学の資格を何も持っていないという人は受講できません。

このように、各自治体がそれぞれに特色を生かして、レベルを決めて実施されるのが「地域通訳案内士」です。応募資格や研修内容も様々ですので、それぞれの自治体にお問い合わせください。たいてい、市町村や都道府県の観光課や観光局が問い合わせ先となっています。

5、全国通訳案内士の試験の概要

それでは、「全国通訳案内士」の試験について内容をみていきましょう。試験は毎年7,000~10,000名ほどの受験者がおり、全体としての合格率は平均して15%前後だといわれています(通訳言語により合格率が違いますので)。

◆対象言語:英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語の10言語。
※2か国語の受験も可能です。ただし、1か国語が免除となる場合のみです。例えば、中国語が免除で英語を受験するなど。

◆試験科目:外国語、日本地理、日本歴史、一般常識、通訳実務、口述試験
※すでに昨年度合格している科目があれば、試験が免除されます

◆受験資格:年齢、性別、学歴、国籍などに関係なく、誰でも受験可能

◆試験の免除:中国語検定1級、もしくはHSK6級取得者は、外国語筆記免除

◆受験料:11700円

◆申し込み:オンライン ※随時確認してください

6、全国通訳案内士の試験の日程

※年度によって試験日程が異なります。以下は2021年度の予定です。必ず試験の日程や試験時間などは最新のものを確認するようにしてください。コロナの影響もあり、要項に変更が多数みられる場合があります。(要項の最新確認はこちら)
□願書受付:7月~8月
□筆記試験:9月
□筆記試験合格発表:11月
□口述試験:12月
□最終合格発表:2月
試験地:札幌、仙台、東京近郊、名古屋、大阪、広島、福岡、那覇
口述試験地:口述試験 東京、大阪近郊、福岡(英語、中国語、韓国語)、それ以外の言語は東京

※2020年度は、試験会場の選択を自分ですることができました。また、以下昨年度のスケジュールですが、2021年度は必ず施行要領をご確認ください!試験の時間配分も変更されているようです。

2020年度試験のスケジュール(参考までに)

7、全国通訳案内士の試験レベルと合格率

中国語の全国通訳案内士試験は、ここ数年6%から7%の合格率です。また、筆記はすべての試験科目において合格する必要があります。ただし、落ちた科目のみ翌年に受験することもできます。レベルはかなり高いといわれています。先述したように英語ですと英検1級と同レベルの難易度で、しかも全体の合格率も低いです。ただし、受験した人の中には、「外国語筆記」はそんなに難しくなかったと言っている人もいました。ですので、中国語であればHSK6級240点程度の実力があれば大丈夫かもしれません。さらに、語学だけでなく、日本の地理や歴史、通訳実務についての試験問題もあります。日本の時事についても問われるようです。記述式の問題が大きな配点となりますので、過去問や対策は必須です。

勉強の幅が広く、年に1回しか試験が実施されないため、受験する人は何年もかけて合格への道を計画しているようです。例えば、今年は外国語と通訳実務をがんばって勉強して合格しよう。来年度は日本地理と日本歴史に力を入れて受験しようなど。

合格率を詳しく知りたい方はこちら

8、全国通訳案内士の試験内容

全国通訳案内士の試験は、筆記試験と口述試験があります。筆記試験の科目すべてに合格した人が口述試験に進むことができます。昨年度2020年とは異なる点があります。外国語試験は120分だったのが90分に短縮されています。

過去問題はこちらへ

試験内容    
外国語筆記 中国語文の読解(40点) 、中国語和訳(20点) 、和文中国語訳(20点)、外国語による説明(20点) 100点 合格基準 70点 90分
日本地理 日本の観光地に関する日本地理についての主要な事柄、日本と世界のかかわり、外国人観光客の関心の強いものについての基礎知識、30問程度 100点 合格基準 70点 30分
日本歴史 日本の観光地に関する日本歴史についての主要な事柄、日本と世界のかかわり、外国人観光客の関心の強いものについての基礎知識、30問程度 100点 合格基準 70点 30分
一般常識 現代の日本の産業・経済・政治及び文化についての主要な事柄、日本と世界のかかわり、外国人観光客の関心の強いものについての基礎知識、「観光白書」や新聞、時事問題をベースに、20問程度 50点 合格基準 30点 20分
通訳実務 通訳案内の現場において求められる基礎的な知識を20問程度※原則として観光庁の研修テキストを試験範囲とする (観光庁研修テキストはこちら) 50点 合格基準 30点 20分
口述試験 提示されたテーマ3つから1つを受験者が選び、中国語で説明をする。ガイドの疑似的な面接と、質疑応答。面接官2人のうち一人が外国人観光客という設定で話しかける。 7割が合格ライン 10~20分程度

中国語筆記試験の例 ※すべて2020年度の過去問です

日本地理の筆記試験の例

日本歴史の筆記試験の例

一般常識の筆記試験の例

通訳案内の実務の筆記試験の例

9、全国通訳案内士の教材紹介

試験の勉強法の一つに過去問を解く方法がありますよね。公式のJNTOホームページには過去5年分の過去問を見ることができます。そのほか、外国語筆記試験の問題集や、対策本もありますので、ご紹介します!

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こちらは、外国語筆記試験以外の科目の過去問が収録されています。過去問はホームページからダウンロードできますが、この教材は解説が丁寧でよく出るポイントなども掲載されています。

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少し古いですが、こちらの過去問も解説がついており、傾向と対策も掲載されています。過去問を解いて自分で傾向をつかむことができる人は特に必要がないかもしれませんが、このような教材を使って勉強するのも方法の一つです。

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こちらは、外国語問題以外の科目の速習テキストと予想模擬試験の教材です。2021年1月に出版され、最新版ですので、これからはじめて試験を受ける人にもおすすめです!

10、全国通訳案内士に合格したら都道府県への登録が必要

全国通訳案内士の試験に合格したら、必ず行わなければならないことがあります。それは、都道府県への登録です!登録方法は、各都道府県の観光課や観光局へお問い合わせください。登録申請書、健康診断書、合格証の写し、宣誓書、写真、住民票、登録手数料などを準備し、提出する必要があります。

また、定期的な研修義務もあります。全国通訳案内士には、旅程管理の実務や災害時の対応などの通訳案内士が実務において求められる知識について、5年ごとに登録研修機関が行う定期的な研修「登録研修機関研修」を受講することが義務。これを受講しない場合は、登録を取り消されちゃいます!

おわりに

全国通訳案内士の試験は、これから自分の語学を観光に生かしたいと考えている人に適切な試験です。しかも国家資格ですので、取得すれば就職にもかなり有利になること間違いなし!しかし、語学を観光以外の例えば、医療、翻訳、ビジネスなどで生かしたいといった人には、中国語以外の日本地理や歴史、一般常識、通訳実務の試験のための勉強がかなりハードですので、計画的に試験に臨むようにした方がよいでしょう。


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